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8 派遣期間にはルールがあります。

(1) 派遣先は、次のイからホまでの場合を除いて、派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(派遣先の労働者の過半数を代表する者等の意見聴取を経て3年以内の派遣受入期間が定められている場合は、その定められた期間、それ以外の場合は1年)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないことになっています(以下「派遣受入期間の制限」といいます。)(法第40条の2第1項注5参照)。
 専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務又は特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務であって、その業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及び雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして、政令で定める業務(具体的には注6に掲げる26業務です。)
 なお、これら政令で定める業務の一部については、労働者派遣契約に定める派遣契約期間の制限があります。
 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内(3年以内)に完了することが見込まれるもの(「有期プロジェクト業務」)
 その業務が1か月間に行われる日数が、その派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者(原則として正規の従業員)の1か月間の所定労働日数に比し相当程度少なく(半分以下)、かつ、月10日以下である業務(「日数限定業務」)
 派遣先の労働者が産前産後休業、育児休業、産前休業に先行し、又は産後休業若しくは育児休業に後続する休業であって、母性保護又は子の養育をするための休業をする場合のその労働者の業務
 派遣先の労働者が介護休業及び介護休業に後続する休業であって、対象家族を介護するための休業をする場合のその労働者の業務
(2) (1)のイからホまでの場合の派遣受入期間の制限を受けない業務の実施に伴い、付随的に(1)のイからホ以外の派遣受入期間の制限のある業務を併せて行う場合(いわゆる「複合業務」)であって、かつ、派遣受入期間の制限のある業務の割合が通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数で1割以下の場合には、全体として派遣受入期間の制限を受けない業務として取り扱うことができます。なお、この場合には、労働者派遣契約において、それぞれの業務の内容及びそれぞれの業務の通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数又はその割合を定めることが必要です。また、派遣先は上記の制限を遵守するため就業時間の管理を的確に行う必要があります。
(3) 特定製造業務((1)のニ及びホ以外の製造業務)に労働者派遣を受ける場合、同一の業務について1年を超える期間継続して労働者派遣を受けてはなりません(平成19年2月末日まで)。なお、特定製造業務であっても、(1)のイからホの業務に該当する場合は、派遣受入期間の制限を受けずに、それぞれ定めるところにより労働者派遣を受けることができます。
(4) 派遣受入期間の制限の規定の適用に当たっては、「同一の業務」とは、労働者派遣契約を更新して引き続き同じ業務を行う場合のほか、派遣先における組織の最小単位において行われる業務も同一の業務であるとみなします。この場合の「組織の最小単位」とは業務の内容について指示を行う権限を有する者とその者の指揮を受けて業務を遂行する者とのまとまりの最小単位のものをいい、係や班、課、グループ等が該当します。
(5) また、派遣先が新たな労働者派遣を受ける場合に、その直前の労働者派遣との間が3か月を超えないときは継続しているとみなされます。したがって、この場合の労働者派遣を受けていると判断される期間は、最初の労働者派遣の開始日から最後の労働者派遣の最終日までです(先指針第2の14参照)。
(6) 派遣受入期間に抵触する日は、派遣就業開始前に派遣元事業主から書面により明示されることとなっていますが、労働者派遣契約の締結後に、派遣先において派遣受入期間の制限に抵触する日が変更された場合は、派遣元事業主から変更された抵触日が書面により明示されることとなっています(法第34条第2項)。

 派遣先は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(政令で定める業務の場合など一部例外があります。)について、派遣元事業主から派遣可能期間(最長3年)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこととなっています(以下「派遣受入期間の制限」といいます。)が、この派遣受入期間の制限を超えて派遣就業していませんか?
 派遣先が派遣受入期間の制限に違反していた場合に、派遣先への是正のための指導、雇入れ勧告、公表の制度があることを御存知ですか?
 上記のイからホ以外の業務で派遣就業しているが、派遣先に派遣されてから派遣受入期間の制限を超えている。 ×
 派遣先が派遣受入期間の制限に違反して労働者派遣を受けていた場合、その派遣労働者を雇い入れるよう指導されます。この指導にも関わらず、派遣労働者を雇い入れない場合は、厚生労働大臣はその派遣労働者を雇い入れるよう勧告(派遣労働者が派遣先に雇い入れられることを希望しない場合は、派遣受入期間の制限違反を是正するよう指導、勧告)し、この勧告に従わない場合は、派遣先の企業名等が公表されます(法第49条の2)。
 政令で定める業務(「26業務」、注5参照)にも派遣契約期間のルールがあることを御存知ですか?
 ⇒ 派遣元事業主は、労働者派遣契約を締結する際に労働者派遣の期間を定めるに当たっては、厚生労働大臣が期間を定めた業務(政令で定める業務(26業務)のうちの一部)に関しては当該期間を超える定めをしてはならないこととなっています(法第26条第2項)。
厚生労働大臣の定める期間は次のとおりです。
 政令で定める業務のうち、
 ○ 1号から13号までの業務及び16号の業務のうち建築物又は博覧会場における来訪者の受付又は案内の業務並びに17号から23号まで、25号及び26号の業務…………3年
 ○ 上記以外の業務……制限なし
この派遣契約期間の制限の趣旨は、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替を防止することにあることから、長期間にわたって引き続き同一の業務に継続して派遣労働者を従事させるような場合には、本来直接雇用にすることが望ましいというものです。
 同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その業務に新たに労働者を雇い入れようとするときは、派遣先は、その派遣労働者に対して雇用契約の申込みをしなければなりません(法第40条の5参照)。


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