労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委令和6年(不再)第36号
三菱UFJモルガン・スタンレー証券不当労働行為再審査事件 
再審査申立人  X組合(「組合」) 
再審査被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  令和8年3月4日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 本件は、組合が、組合員Aの解雇の撤回及びAが会社に申告したハラスメント(Aが行ったハラスメントの申告を「本件ハラスメントの申告」)に関する調査結果の開示等を求めて、会社との間で4回にわたって団体交渉を行った(組合と会社との間で行われた4回の団体交渉を併せて「本件団体交渉」)後、積み残し課題があるとして、本件ハラスメントの申告に対する調査内容及び調査結果が記載された報告書等の提示を要求事項とする令和3年4月6日付けの団体交渉申入れ(「本件団交申入れ」)を行ったのに対し、会社が、Aのケースに関する組合との間の議論は尽くされたとして本件団交申入れに応じなかったことが、労働組合法(「労組法」)第7条第2号の不当労働行為に該当するとして、救済申立てがあった事案である。

2 初審東京都労働委員会は、会社が本件団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当しないとして、救済申立てを棄却したところ、組合は、これを不服として、再審査を申し立てた。
 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判断の要旨  (1) 争点(会社が本件団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するか。)について
ア 本件団体交渉における会社の対応について
 本件団体交渉を全体として見ると、会社は、本件団体交渉の主な議題となった本件ハラスメントの申告に対する会社の対応について、自らの認識を相当程度に説明し、組合の理解を得るべく相応の対応をしていたといえる。そして、第4回団体交渉においては、Aに対するハラスメントがあったことを前提に会社の対応が間違っていたと主張する組合と、Aに対するハラスメントはなかったことを前提に会社の対応は適切であったと主張する会社との間で、これ以上団体交渉を重ねても進展する見込みがない状況に至っていたといえる。

イ 本件団交申入れに対する会社の対応について
 組合は、本件団体交渉における積み残し課題があるとして本件団交申入れを行ったが、会社は、Aのケースに関する組合との議論は尽くされているとして、団体交渉に応じなかった。
 この点、第4回団体交渉において、組合と会社は、Aに対するハラスメントがあったか否かの認識に隔たりがある中で、本件ハラスメントの申告に対する会社の対応が適切であったか否かについて、互いに自らの主張を述べ合っており、これ以上団体交渉を重ねても進展する見込みがない状況に至っていたことは、上記アのとおりである。そして、Aに対するハラスメントがあったか否かや、本件ハラスメントの申告に対する会社の対応が使用者に求められる環境調整義務違反に当たるか否かといった第4回団体交渉における上記の議論と同様の内容が、当時、Aが会社を被告として提訴していた民事訴訟の控訴審において争われていた状況の中で、いずれかが譲歩するとは考え難く、会社としては、Aに対するハラスメントはなかったことを前提に、会社の対応は適切であったという回答を繰り返したこともやむを得ない。
 そして、会社は本件団体交渉において相応の対応をしていたと認められることや、本件団交申入れにおける組合の要求事項(本件ハラスメントの申告に対する調査内容及び調査結果が記載された報告書等の提示)は、第1回団体交渉の申入書に記載された要求事項(ハラスメント調査結果の開示と説明)と実質的に同じと評価することができ、新たな要求事項は認められないことも併せ勘案すれば、本件団交申入れに応じなかった会社の対応はやむを得ないものといえる。
 以上のことからすれば、会社が本件団交申入れに応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるということはできない。

(2) 結論
 会社が本件団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号の不当労働行為には該当しない。
 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委令和3年(不)第43号 棄却 令和6年6月18日
 
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