労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委平成30年(不再)第42号・第43号
JXTGエネルギー(大阪団交拒否等)不当労働行為再審査事件 
再審査申立人  Y2会社(「会社」)(42号)、X組合(「組合」)(43号) 
再審査被申立人  X組合(「組合」)(42号)、Y2会社(「会社」)(43号)、Y2会社Y4事業所(「事業所」)(43号) 
命令年月日  令和8年1月21日 
命令区分  一部変更 
重要度   
事件概要  1 本件は、会社が、①セキュリティシステムを事業所に導入して組合室の利用を制限していること及び②団体交渉(以下「団交」という。)を拒否し続けていることが労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして救済申立てがあった事件である。

2 初審大阪府労委は、①被申立人適格を有さない事業所に対する申立て及び②救済申立日の1年前の日より前の会社の団交拒否に係る申立て(申立期間を徒過した申立て)を却下し、③組合が要求した団交議題のうち、「組合室の使用」を前提とする議題については、会社が、組合室の使用を認めているから「組合と会社との集団的労使関係が継続しているとみるべき」として、義務的団交事項に当たるから、会社が当該議題の団交に応じなかったことは不当労働行為であるとして、会社に文書の交付を命じ、④組合のその余の申立てを棄却した。

3 会社は、上記2の③の文書交付及び④のうち、事業所へのセキュリティシステムの導入に伴う組合の組合員の出入りの取扱いに関するルールを設定したことに係る申立てを棄却した部分を不服として、また、組合は、上記2の①、②及び④に関する部分を不服として、再審査を申し立てた。
 
命令主文要旨  (1) 初審命令主文第3項(上記2③の文書交付)を取り消し、組合の救済申立てを棄却
(2) 初審命令主文第4項(上記2④)中、会社が事業所へのセキュリティカードによる入退館管理の導入に伴う組合の組合員の出入りの取扱いに関するルールを設定したことに係る部分を取り消し、組合の救済申立てを却下
(3) 組合の再審査申立てを棄却
 
判断の要旨  (1) 争点1(会社及び事業所は、それぞれ労組法上の使用者に当たるか。)について
 事業所は、会社の組織の構成部分にすぎず、法律上独立した権利義務の帰属主体ではないから、労組法上の使用者には当たらず、被申立人適格を有さない。

(2) 争点2-1(平成25年7月1日の事業所へのセキュリティカードによる入退館管理の導入に伴う組合の組合員の出入りの取扱いに関するルールの設定に係る本件救済申立ては、労組法第27条第2項の申立期間を徒過した申立てか。)について
 会社が当該ルールを設定したのは平成25年7月1日(以下「平成」の元号を省略する。)であるが、組合がこれに係る救済申立てをしたのは28年1月26日であるから、本件救済申立ては、労組法第27条第2項の申立期間を徒過した申立てである。
 なお、争点2-2は、争点2-1について、組合の救済申立てが申立期間を徒過しておらず、適法と判断された場合に、会社が行った当該ルールの設定は労組法第7条第3号の不当労働行為に当たるか、であった。

(3) 争点3-1(組合の26年11月20日までの団交申入れに係る本件救済申立ては、労組法第27条第2項の申立期間を徒過した申立てか。)について
 本件救済申立てにおいて救済申立てが許される会社の行為は、27年1月26日以降のものに限られ、本件救済申立てのうち27年1月25日以前の会社の行為に係るものは、労組法第27条第2項の「継続する行為」に該当しない限り、同項の定める申立期間の制限に反することになる。
 会社は、団交申入れを受ける都度、遅くとも1か月以内に、団交を求める事項についての趣旨、目的等を具体的に文書で明らかにするよう求める旨の文書回答をして団交には応じていない。会社のこうした対応は、それぞれが一個の行為として完結しており、労組法第27条第2項の「継続する行為」に該当するとはいえないから、26年11月20日までの団交申入れに係る本件救済申立ては、同項の申立期間を徒過した申立てである。

(4) 争点3-2(会社が27年1月14日以後の団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たるか。)について
 25年1月以降、組合及び組合の上部組織には会社に就労する組合員がおらず、組合が団交議題とした各事項が義務的団交事項に当たるかは疑わしい状況にあったといえる。
 このような状況の下で、会社が組合に対して団交事項の趣旨、目的等を明らかにするよう求めたにもかかわらず、組合は、会社の上記要求の趣旨に沿った具体的な対応をしなかった。さらに、会社と組合との間で、義務的団交事項でなくても団交を行う旨の取り決めがあったという事実もうかがわれないことからすれば、組合からの団交申入れに応じなかった会社の対応は合理的であるといえ、正当な理由があると認められる。したがって、会社が組合からの団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当しない。
 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成28年(不)第3号 一部救済 平成30年8月7日
 
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