労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件番号・通称事件名  東京都労委平成2(不)104号
東京都教育委員会不当労働行為審査事件 
申立人  X1組合・X2支部(併せて「組合ら」) 
被申立人  東京都 
命令年月日  令和4年7月19日 
命令区分  却下 
重要度   
事件概要   本件は、教育委員会が、会計年度任用職員として任用していた公立学校の外国人英語等教育補助員(以下「ALT」)の労働条件等に係る団体交渉申入れについて、ALTには労働組合法の適用はないとして応じなかったことが不当労働行為に当たる、として救済申立てがなされた事案である。
 東京都労働委員会は、組合らに申立適格を認めることはできないとして、申立てを却下した。 
命令主文   本件申立てを却下する。 
判断の要旨  1 組合らが、会計年度任用職員の労働条件等に係る本件団体交渉申入れ〔注1〕(議題⑤を除く。)について、申立適格を有するか否か(争点1)

〔注1〕令和2年7月30日に組合らが都教委に対し行った、ALT〔注2〕の契約更新など10項目を議題とする団体交渉の申入れ。

〔注2〕都教委は、都立学校において、ALTを特別職の地方公務員として任用していたが、地方公務員法の一部改正に伴い、令和2年4月1日以降は、一般職の地方公務員である会計年度任用職員として任用。

 組合らの本件団体交渉申入れに対し、都教委は、会計年度任用職員には労働組合法が適用されないとして、これに応じなかった。
 なお、組合らは、本件団体交渉申入れの10項目の議題のうち議題⑤〔注両名に対する2年3月の休業による賃金又は休業手当を支払うこと〕についての申立てを取り下げたことから、本件審査の対象は、議題⑤を除く9項目の議題に係る本件団体交渉申入れである。
 組合らが本件団体交渉申入れを行った2年7月30日時点においては、改正法により、都教委に任用されているALTは組合員A1、組合員A2両名を含め全て一般職の地方公務員である会計年度任用職員として任用されており、地方公務員法が適用される一方で労働組合法は適用されない。
 また、本件団体交渉申入れの時点で既に改正法が施行されていたが、本件団体交渉申入れにおける9項目の議題につき、改正法施行前の具体的な事象に関するものであるとか、本件団体交渉申入れ前や改正法の施行前から組合らが都教委に団体交渉を申し入れていたとの主張も疎明もない。
 そうすると、本件団体交渉申入れの9項目の議題は、いずれも労働組合法の適用除外である会計年度任用職員であるALTに係るものであり、本件団体交渉申入れは、労働組合法上の保護すなわち不当労働行為救済制度の対象とはなり得ないから、本件団体交渉申入れに対する都教委の対応は不当労働行為に該当しないことが明らかである。
 したがって、労働組合法が適用されない会計年度任用職員に係る事項を議題とした本件団体交渉申入れについて、組合らに不当労働行為救済の申立適格を認めることはできず、本件は、これを却下せざるを得ない。 

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約270KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。