労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委令和元年(不)第21号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y法人(「法人」) 
命令年月日  令和2年12月8日 
命令区分  却下 
重要度   
事件概要   法人が業務の外部委託を理由に、組合員1名を配置転換したところ、同組合員は病休を申請するなどした。法人は同組合員について休職扱いにし、その後、休職期間の満了により、退職させた。
 本件は、このように組合員を配置転換し、その後、退職させたことやその間の健康保険や労働者災害補償保険の給付に係る取扱い等が不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。
 大阪府労働委員会は、申立てを却下した。 
命令主文  本件申立てを却下する。 
判断の要旨  〇争点1(組合の申立ては、労働組合法第27条第2項の申立期間を徒過していないといえるか。)
1 労働組合法第27条第2項は、不当労働行為救済申立てが、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、労働委員会はこれを受けることができない旨規定しているところ、本件の争点のうち最新のものは、平成30年6月11日付け文書にて、同月15日をもって休職期間が満了となるため、自然退職手続を行う旨通知し、平成30年6月15日をもってA組合員を自然退職にしたことであって、休職期間の満了により退職になったことから、自然退職を休職命令と一体のものとみたとしても、本件申立ては令和元年7月22日に行われているのだから、本件が行為の日から1年を経過して申し立てられたことは明らかである。
2 組合は、労働契約法は、労働契約の成立・変更には双方の合意の原則を定めており、交渉が決裂するまでは労働契約の解消は法的に確定していないのであって、A組合員の休職についての交渉は平成30年9月まで続いていたことを挙げ、申立ての期限を過ぎているとの法人の主張は失当であるとする。
 しかしながら、労働契約法は全ての労働契約の変更に労使の合意を求めているわけではない。
 そして、労働組合法第27条第2項は、継続する行為にあってはその行為が終了した日から1年間は労働委員会は申立てを受けることができる旨を定めているが、本件の自然退職の手続は平成30年6月15日の時点で終了しており、その後継続した行為があったと解する事情はみられない。組合は、「休職についての交渉」が平成30年9月まで続いたと主張するが、これは、法人がA組合員を休職にし、休職期間の満了により自然退職の手続を取ったことに対し、同意できないとして組合が異議を述べた行為であり、法人の行為とみることができず、平成30年9月まで法人の行為が継続したとみることはできないのであって、この点に関する組合の主張は採用できない。
 そして、本件の自然退職以前の行為である争点2から争点6の法人の行為のいずれについても、自然退職と同様、その後継続する行為があったと解する事情はみられない。
3 また、組合は、法人の卑劣極まる攻撃によって申立てが遅れたのであるから、申立ての期限を過ぎているとの法人の主張は失当であるとし、A組合員の休職は労災によるもので、自然退職とすること自体が違法である旨主張する。
 しかし、労働組合法第27条第2項の申立期間は、行為の時点から長期間経過することにより、証拠収集や事実認定が困難になり、救済命令を出しても実益がないか、又はかえって労使関係の安定を害するおそれもないわけではないとして定められた客観的な期間というべきところ、組合が「法人の卑劣極まる攻撃」と呼称している、法人の行った不当労働行為該当行為の有無によってその期間が左右されるものではなく、また、休職の理由の如何といった事情で左右されるものではない。そして、不当労働行為があったか否か、労災による休職か否か等は、上記の法定期間内に組合が申立てを行い、主張・立証すべきであって、当委員会としては、行為の日から1年を経過した事件については、その申立てを受けることができない。
4 以上のとおり、本件申立ては、法定申立期間経過後の申立てであるので、労働組合法第27条第2項及び労働委員会規則第33条第1項第3号の規定により、その余を判断するまでもなく、却下する。 
掲載文献   

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