労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委平成27年(不再)第5号
日東興産不当労働行為再審査事件
再審査申立人   X1組合、X2組合 
再審査被申立人   Y会社 
命令年月日  平成29年7月5日 
命令区分  棄却 
重要度   
事案概要  1 本件は、YがAに対し事情聴取を行い、
①その後に休職したAの職場復帰を当初は認めず、復帰後の一定期間、技能教習の業務に従事しなかったこと。
②事情聴取に対する団体交渉の内容を一方的に破棄したこと。
③団体交渉における合意事項について労働協約を締結しなかったこと
が、それぞれ不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事案である。

2 初審神奈川県労委は、②及び③について不当労働行為に当たるとし、団体交渉において協議の内容を一方的に破棄したり、団体交渉における約束を反故にしたりすることなく、誠実に団体交渉に応じることを命じるとともに、X1への文書手交を命じ、その余を棄却したところ、X1、X2及びAはこれを不服として、上記1①に係る部分の取消しを求めて、再審査を申し立てた。
 その後Aは再審査申立てを取り下げたため、X1、X2もAの不利益取扱いについて救済を求めないこととした。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する 
判断の要旨  1 Aの職場復帰を当初は認めなかったこと
 23年12月21日付け診断書では「適応障害」「なお1ヶ月の休養・加療を要する」とされ、AがYに提出した経過報告にも24年1月24日に「容体回復、投薬終わり」と記載され、A自身がそれを認める証言をしていることからすれば、少なくとも同日までAは「適応障害」で投薬等の治療が行われていたと認められ、Aの職場復帰が可能であることを裏付ける主治医の診断書もなく、Aが24年2月16日より前に復帰が可能であったことを示す証拠もない。
 Yは24年1月24日の協議においてAを同年2月16日から職場復帰させること等について書面を交わすなどと説明し、X1、X2は特に抗議などをしておらず、その後も復帰に関する苦情等もなかったことからすれば、X1、X2はAを同日に復帰させることに異議を唱えていたとは認められず、実際にも、Yは同日に復帰させている。
 加えてYはAに対し、23年11月分から24年2月分の給与として合計59万7千円を支払っている。
 以上のとおり、Aを同年2月16日まで職場復帰させなかった会社の対応が不合理であったとはいえず、X1に対する支配介入の基礎となるべき事情も見当たらない。

2 Aの職場復帰後も一定期間、技能教習をさせなかったこと
 Aが職場復帰した時点以降、Aが指導員講習を受講するまでの間、YはAを教習指導員の業務に当たらせることはできなかった。
 教習業務は、教習生や周囲の安全に細心の注意が求められ、それに伴う精神的ストレスも少なくはないものであること、Aは同年1月24日までは適応障害による治療を受けていたことから、YはAに係る教習業務についてはその心身の状況をみた上で判断しようとしたとしても不自然とはいえない。
 Yの対応について、適応障害を発症した者の職場復帰を行う際の就業上の配慮として不自然とはいえず、加えてAは休職前から複数の問題行動が指摘されていたことも考慮すれば、Yとしては、Aの教習指導員としての適格性を改めて判断する必要性があったといえる。
 したがって、24年2月16日から同年6月末日まで、Aに技能教習を行わせていなかったYの対応が直ちに不合理であったとはいえず、X1に対する支配介入の基礎となるべき事情も見当たらない。

3 Yが本件事情聴取以降、休職したAの職場復帰を当初は認めず、復帰後の一定期間、技能教習の業務に従事させなかったことは、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たるか
 以上のとおり、Yの一連の対応は、いずれも不合理であったとはいえず、その他X1への加入及びX1の組合員が行う組合活動をけん制ないし抑制しようとしたとする事情も見当たらないことから、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たらない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神労委平成24年(不)第35号 一部救済 平成27年1月14日
 
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