労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委平成27年(不再)第54号
EMGマーケティング(愛知便宜供与団交)不当労働行為再審査事件 
再審査申立人  X1組合X2分会 
再審査被申立人  Y会社 
命令年月日  平成29年5月17日 
命令区分  棄却 
重要度   
事案概要  1 本件は、組合掲示板及び組合事務室の新規貸与を議題とするX2の団体交渉申入れを拒否したことが不当労働行為であるとして、申立てがあった事案である。
2 初審の愛知県労委は、X2がYに団体交渉を申入れた時点においてX2の組合員に現に使用者と雇用関係にある労働者が存在しないこと等を理由に、本件救済申立は、労働委員会規則第33条第1項第5号(申立人の主張する事実が不当労働行為に該当しないことが明らかであるとき)に該当するとして、X2の申立てを却下したところ、X2が再審査を申し立てた。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する 
判断の要旨  1 本件初審の審査手続について
 X2は愛知県労委の審査手続には不備があり違法であると主張するが、初審決定は当事者の主張、立証を踏まえて認定及び判断をしたものであり、提出された主張や証拠文書によれば、その判断に必要な主張及び立証は相応に尽くされているといえるのであって、初審の審査手続には特段の違法はない。
2 X2の主張する事実の労働委員会規則第33条第1項第5号該当性について
 本件団交申入れがされた時点においては、X2の組合員は全員会社を退職しており、かつ、再審査事件が係属中の組合員についても、仮に同人らが再雇用されたとしても、その期間をもいずれも既に終了したことが認められるから、会社と組合員の雇用関係は確定的に終了していた。そして、本件団交申入れに係る交渉議題は、専らX2の組合活動に関する事項であり、分会の組合員と会社との愛大の解雇又は退職の是非やそれらに関する条件等の問題ではないことは明らかである。
 以上によれば、本件団交申入れの時点においては、X2とYは本件団交申入れに係る議題事項との関係では、団体交渉の前提となるべき労使関係を欠いていたというべきであり、雇用関係がある場合と同様に解すべきとはいえない。したがって、X2は、使用者が団体交渉を義務づけられる相手方には当たらず、X2が主張する事実は労働委員会規則第33条第1項第5号に該当する。
 なお、X2は労働組合法第7条第2号違反と主張するが、本件団交申入れは、X2に現に従業員である組合員も従業員に復帰して業務に従事すべき組合員もいない状況においてされ、さらに17年以上も分会役員が選出されない状態が続いていたことに照らせば、YがX2が実在することについて説明を求めたのも無理からぬところであるが、X2はYの要請に対して全く応答しなかったとの経緯に照らすと、本件団交申入れに応じなかったYの対応はそれ相応の理由と根拠があるから、労働組合法第7条第2項に違反するということはできない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
愛知県労委平成27年(不)第7号 却下 平成27年11月24日
 
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