概要情報
事件名 |
大阪府労委平成25年(不)第64号 |
事件番号 |
大阪府労委平成25年(不)第64号 |
申立人 |
Y労働組合 |
被申立人 |
Z株式会社 |
命令年月日 |
平成27年6月26日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
産業廃棄物の収集運搬及び処分を業とする被申立人会社は、平成11年、約30名いた従業員運転手を、4名を除き、本人の同意を得て請負運転手にした。従業員運転手として勤務していたY2も、この時、請負運転手となり、その後、車両の購入を契機として会社と専属下請契約を締結した。Y2は、配車に偏りがあるとして会社担当者に相談していたが、24年2月、申立人組合に加入した。
本件は、会社が25年度から専属下請運転手については健康診断を実施しないこととしたことを受け、組合が健康診断及びこれに係る事項について会社に団交を申し入れたのに対し、会社がこれを拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
被申立人会社は、組合員Y2は会社との関係において労組法の労働者に当たらないと主張する。
Y2が労組法上の労働者に当たるか否かについては、基本的判断要素としての①事業組織への組入れ、②契約内容の一方的・定型的決定、③報酬の労務対価性、補充的判断要素としての④業務の依頼に応ずべき関係、⑤広い意味での指揮監督下の労務提供、一定の時間的場所的拘束、消極的判断要素としての⑥顕著な事業者性の6要素を総合的に考慮して判断するのが相当である。
認定した事実によれば、Y2については、基本的判断要素のうち、①事業組織への組入れがなされているといえるものの、②契約内容について会社が一方的・定型的に決定しているとまではいえず、③報酬の労務対価性は認められない。また、補充的判断要素については、④業務の依頼に応ずべき関係にあるとはいえず、⑤広い意味での指揮監督下の労務提供、一定の時間的場所的拘束も認められない。加えて、消極的判断要素としては、⑥一定の事業者性があるといえる。
以上を総合勘案すると、専属下請運転手であるY2は、会社との関係において労組法上の労働者に当たるとまでいうことはできない。したがって、その余を判断するまでもなく、本件申立ては理由がないので、棄却する。 |
掲載文献 |
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