労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  全国社会保険協会連合会(解雇) 
事件番号  中労委平成25年(不再)第46号 
再審査申立人  全国社会保険協会連合会労働組合(「組合」) 
再審査被申立人  社団法人全国社会保険協会連合会(「社団法人」) 
命令年月日  平成26年2月5日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 社団法人は、独立行政法人年金・健康保健福祉施設整理機構(「RFO」)から受託していたA健康管理センター及びB健康管理センター(両センターを併せて「本件健康管理センター」)の運営委託契約の解約に伴い、21年3月31日、希望退職届を提出しなかった本件健康管理センターに勤務する組合の組合員11名を解雇した(「本件解雇」)。
 組合は、社団法人が、申立外の労働組合との間で希望退職届けを提出しなかった者に関する団体交渉を行う一方、組合とは団体交渉せず組合の頭越しに組合員に解雇予告通知を送付し組合員のみを解雇したことが22年7月に明らかになったとして、23年7月20日、本件解雇は労働組合法(「労組法」)第7条第1号の不当労働行為に当たるとして救済申立てを行った。
2 初審大阪府労委は、本件申立てを却下したところ、組合はこれを不服として、再審査を申し立てた。 
命令主文   本件再審査申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 組合の申立ては、労組法第27条第2項に規定する「行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から1年を経過した事件」に係るものに当たるか。
ア 労組法第27条第2項は、「労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。」と規定して、労働委員会に対する不当労働行為の審査事件の申立期間を1年と定める。そして、行為の日(ただし、継続する行為にあってはその終了した日)から1年を超えてからの申立てについては、労働委員会は却下決定をすることとされており(労組法第27条第2項、労働委員会規則第33条第1項第3号)、そこに労働委員会の裁量の余地はない。この労組法第27条第2項の規定の趣旨は、不当労働行為として申し立てられる事件が1年以上経過している場合には、事実認定等が困難となり、かつ1年以上経過した後に命令を出すことはかえって労使関係の安定を阻害するおそれがあり、又は命令を出す実益がない場合があるので、かかる制限を設けたというものである。労組法第27条第2項は、不当労働行為を「一回限りの行為」と「継続する行為」に区別して起算日を定めるが、後者の「継続する行為」であれば、基本的には「継続する行為」が「終了した日」を起算日としても、その間不当労働行為が継続しているので労使関係の安定は中断されており、また、継続する行為全体を審査の対象としても、事実認定等の困難さはそれほど大きくなく、救済の実益もあるといえるので、上記申立期間を限定した趣旨に反しないからである。そこで、本件についてみるに、本件解雇は、21年3月31日になされた明確な「一回限りの行為」であり、「継続する行為」には当たらない。しかるに、本件申立ては23年7月20日である。したがって、本件解雇に係る本件申立ては、労組法第27条第2項に定める期間の経過後にされたものとして却下を免れない。
イ この点に関し、組合は、本件解雇が不当労働行為であることを知ったのは、22年7月26日付けの別件における社団法人の答弁書を見た日であり、「知った日から1年以内に申し立てた」のであるから、本件申立ては、労組法第27条第2項及び労働委員会規則第33条第1項各号の規定には該当しない旨主張する。
 しかしながら、20年2月29日、社団法人は、RFOから本件健康管理センターの運営委託契約を解約する旨の通知を受け、21年3月12日付けで、転勤とならず希望退職に応じなかった組合員11名に対し、同月31日をもって解雇する旨通知し、同日付けで本件健康管理センターに勤務していた組合員11名を解雇したことからすると、本件解雇は21年3月31日付けで行われたことは明らかであり、「知った日から1年以内」という組合の主張の論理は、上記アに説示した制度の趣旨及び法律の明文の規定からみて採用できない。
ウ また、組合は、①本件解雇後初の団体交渉が合意解決のないまま中断した後も、組合は21年6月5日に労使自主解決をめざして団体交渉を申し入れるなど団体行動を展開しているのであるから、申立期間は中断していると解釈すべきである、②社団法人は、本件解雇を撤回しないという不作為を継続して団結権を侵害しているのであるから、不利益取扱いである解雇は「継続する行為」であり、本件は「申立期間経過」には該当しないなどと主張する。
 しかしながら、①について、本件解雇後、団体交渉を申し入れていることをもって申立期間が中断するという主張は、独自の見解といわざるを得ず、組合の上記①の主張は採用できない。また、②について、上記イのとおり、本件解雇は「一回限りの行為」であるので、組合の上記②の主張も、独自の見解であって採用できない。
2 結論
 以上のとおり、本件申立てが、行為の日から1年を経過した後の申立てであるとして、労組法第27条第2項及び労働委員会規則第33条第1項第3号に基づき却下した初審決定は相当である。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成23年(不)第48号 却下 平成25年7月1日
 
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