労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  ゲームヤロウ 
事件番号  都労委平成21年不第94号 
申立人  連帯労働者組合 
被申立人  ゲームヤロウ株式会社、ゲームハイ株式会社 
命令年月日  平成25年3月19日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   平成19年10月25日、被申立人会社Yは、申立外会社Aの親会社である申立外B社の株式の1割強を取得し、その主要株主となった。同年12月31日、Aの従業員であった組合員X2は、事業縮小を理由に解雇された。21年1月15日、AはYの100%子会社となった。申立人組合は、同年6月2日及び9月3日、Y及びYの株式を約70%保有する被申立人会社Zに対し、組合員解雇に係るAとの労働争議についての団交を申し入れたが、両社はこれに応じなかった。
 本件は、Y及びZがX2の労組法上の使用者に当たるか否か、使用者に当たる場合には正当な理由なく団交を拒否したか否かが争われた事件である。 
 東京都労委は、申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨   本件においては、被申立人会社Y及び同Zが組合員X2の労組法7条にいう「使用者」に該当するか否かが争われており、申立人組合の団交申入れ事項である、X2の解雇及びこれに係る組合と申立外A社との労働紛争について、Y及びZがAと同視できる程度に具体的かつ現実的な支配力を有しているかが問題になる。
(解雇について)
 Aが平成19年11月1日の団交で突然X2の解雇を予告し、その後、同月9日に予定されていた団交を開催せず、さらに12月12日、組合との労働協約の一方的解約を通知するといった一連の対応に、Y又はZが関与したことを認めるに足る事実の疎明はない。また、両社がAの労働者の基本的な労働条件等に対して、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有していたと認めるに足りる疎明はない。Aの親会社である申立外B社の主要株主となったYの経営方針がAの経営方針決定に当たり相当な影響を及ぼしていた可能性は強く推認されるが、Y及び同社を設立したZがX2の解雇を現実的かつ具体的に決定できる立場にあったと認めるに足りる事実の疎明がなされたとはいえない。
 よって、組合の団交申入れ事項であるX2の解雇について、YがAに対する支配力を行使し、介入したとまで認めることはできない。 
(組合とAとの労働紛争について)
 Y及びZが組合とAとの労使関係に介入し、団交を拒否させたことを認めるに足りる事実について何ら疎明はない。他方、組合がYに対し、上記労働紛争についての見解を求めた際、Aが行った組合への抗議の内容等によれば、Aの組合に対する対応には、組合と対立関係にあったA自身の一貫した強い組合排除の意思が窺われる。
 したがって、組合の、YがAをして組合との団交を拒否させたとする主張や、ZがYに対し団交を拒否させたとする主張は採用することができない。
 組合は、Yは資本関係、役員兼任状況、取引関係等からして、Aの経営に対し、重大かつ決定的な支配力を有し、したがって、団交応諾義務を有しているとも主張する。
 この点に関しては、確かにYがAの親会社となってからは、役員派遣、事業資金の貸付け、受注関係等を通じてAの経営に対する影響力を増していったことが認められる。しかし、役員関係については21年1月15日から同年3月6日までYの代表取締役がAの代表取締役を兼任していたのみで、兼任取締役はAの全取締役の過半数に満たないとの証拠しか存在しない。また、人事について、YがAの人事・労務を支配していると認めるに足りる具体的事実の疎明は一切なく、AはYに事務所の賃貸料を支払っていることなどからすれば、両社の事業活動に混同等があるとまではいえない。
 そうすると、YのAに対する経営上の影響力のみをもって、Yが、Aとその従業員との間の労使関係やAと組合との間の労使関係に対して現実的かつ具体的な支配力を及ぼしていたとまで認めることはできない。そして、Yが組合との団交に応ずべき立場にあるとまではいえない。
 
 以上の事実を総合すれば、YはAの親会社等としてAの経営に対し一定の支配力を有していたといえるが、組合が申し入れた団交事項である解雇問題や労働紛争の解決問題との関係について、直接の雇用主であるAと同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有していたとまではいえない。
 また、Zについても、かかる支配力を有していた事実、ないし、Yに対して団交を拒否させたとの事実を認めるに足りる疎明はなく、組合と団交を行う義務があるとの組合の主張を認めることはできない。
 よって、Y及びZは、いずれも本件に関して労組法7条にいう使用者に該当しない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成25年(不再)第30号 棄却 平成27年7月15日
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