労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  パナソニックホームアプライアンス  
事件番号  中労委平成23年(不再)第70号  
再審査申立人  パナソニック株式会社 (「会社」)  
再審査被申立人  滋賀自治体一般ユニオン青年ユニオン支部(「組合」)  
命令年月日  平成25年2月6日  
命令区分  一部変更  
重要度   
事件概要  1 会社とA社とは、平成19 年3月31 日まで「業務請負基本契約」を、同年4月1日から同21年12 月31 日までは「労働者派遣個別契約」をそれぞれ締結していたが、A社に雇用されていた組合員2名(以下「両組合員」)の会社工場での就労は同年12 月30 日に終了した。
 本件は、両組合員が加入した組合が、同22 年4月1日及び同年5月7日に、両組合員の直接雇用等を交渉事項とする団体交渉を申し入れた(以下、これら2回の団体交渉申入れを「本件各団交申入れ」)ところ、会社が、両組合員との雇用関係がないことを理由に本件各団交申入れを拒否したことについて、組合が、滋賀県労働委員会(以下「滋賀県労委」)に不当労働行為の救済申立てを行った事件である。
2 滋賀県労委は、本件各団交申入れ事項のうち、①労働者派遣法(以下「派遣法」)違反の状態で使用していたことに対する謝罪に関する事項、②当該状態で使用してきたことに起因する問題の金銭的解決に関する事項に応じなかったことは労組法第7条第2号に該当する不当労働行為に当たると判断し、会社に対し、上記①及び②(以下「本件交渉事項」)について、団体交渉に応じることを命じ、その余の申立てを棄却したところ、会社は、これを不服として、再審査を申し立てた。  
命令主文  初審命令の救済部分を取り消し、これに係る救済申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 会社の使用者性等について
ア 両組合員はA社に雇用されていた者であり、会社は、A社との間の「業務請負基本契約」又は「労働者派遣個別契約」に基づき両組合員を受け入れていたのであって、両組合員との間に雇用関係は存在しない。このため、本件では、雇用主以外の者が労組法第7条の使用者に当たる場合の法理の適用の有無が問題となる。
イ (ア)両組合員の会社での就労は、平成19年3月31日以前は「業務請負基本契約」に、同年4月1日以降は「労働者派遣個別契約」に基づくものであったが、当該就労実態等からすると、両組合員はいずれの期間も実質上労働者派遣の状態で就労したもので、両組合員の業務は、同就労のみからみても、派遣法上の派遣可能期間を超えていたことが明らかである。
(イ)しかしながら、派遣先事業主に派遣法第40条の4の直接雇用の申込義務が生じるのは、派遣元事業主からは派遣可能期間を超える旨の通知(抵触日通知)を受けた派遣先事業主が引き続き当該派遣労働者を使用するときであるが、本件において会社がA社から抵触日通知を受けたことは認められない。
(ウ)また、滋賀労働局は、会社に対し行政指導を行っているが、当該指導は、既に両組合員の会社での就労が終了し、A社との雇用関係も終了した後に行われたもので、その内容は直接雇用を推奨するものにすぎず、会社に対し、会社での就労が終了した両組合員を直接雇用することを特に要請するものではなかった。
(エ)以上によれば、会社は、派遣法第40条の4の直接雇用の申込義務を負っていたとは認められず、会社が労働行政機関から派遣労働者の雇入れを求める行政勧告ないし行政指導がなされたとも認められないことから、両組合員との間で近い将来において雇用関係の成立する可能性が現実的かつ具体的に存する者として労組法第7条の使用者と解することはできない。
ウ 次に、本件交渉事項(派遣法違反の状態で使用していたことに対する謝罪及びこのことに起因する問題の金銭的解決)について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有しているかについて検討すると、以下のとおりである。
(ア)本件交渉事項は、会社が両組合員の雇用主又は雇用主と同視し得る地位にあることを前提としたものといえ、会社が本件交渉事項に応諾する義務が生じるといえるためには、両組合員の就労の諸条件に止まらず、一連の雇用管理(採用・配置・雇用の終了)に関する決定について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有している必要がある。
(イ)しかしながら、会社は、両組合員の採用等一連の雇用管理に関する決定権について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な関与等をしたとは認められない。
エ さらに、本件各団交申入れは、両組合員が会社での就労が終わり、A社との雇用契約関係が終了した後の平成22年4月1日以降に行われたもので、両組合員が会社での就労を終了してから3か月を経過した時期の申入れであるから、時宜に遅れた申入れである。したがって、この面においても、両組合員は、会社が「雇用する労働者」に当たらず、また、組合は、会社が「雇用する労働者」の代表者には当たらない。
2 結論
 以上のことからすると、本件救済申立てに理由はない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
滋賀県労委平成22年(不)第6号 一部救済 平成23年10月17日
 
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