労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  パナソニックホームアプライアンス 
事件番号  滋労委平成22年(不)第6号 
申立人  滋賀自治体一般ユニオン青年ユニオン支部 
被申立人  パナソニック株式会社 
命令年月日  平成23年10月17日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   X2ら組合員2名は申立外A社に雇用され、被申立人会社に派遣されて同社の工場で勤務していたが、平成21年12月末をもって両社間の労働者派遣契約が終了し、その後まもなく同人らとA社との雇用関係も終了した。本件は、申立人組合が22年4月1日と5月7日に申し入れた、①X2らの直接雇用、②労働者派遣法違反の状態で労働者を使用していたことについての謝罪、③同法違反の状態で労働者を使用してきたことに起因する問題の金銭的解決等に関する団交を、会社が同人らとの雇用関係が存在しないことを理由に拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 滋賀県労委は、会社に対し、上記②及び③の事項に関する団交に応じることを命じ、その余の申立てを棄却した。  
命令主文  1 被申立人は、申立人に対し、平成22年4月1日付けおよび同年5月7日付けの団体交渉申入れ事項のうち、申立人に所属する組合員について、以下の事項を交渉事項とする団体交渉に応じなければならない。
(1) 労働者派遣法違反の状態で使用していたことに対する謝罪に関する事項
(2)過去に労働者派遣法違反の状態で使用してきたことに起因する問題の金銭的解決に関する事項
2 申立人のその余の申立は棄却する。  
判断の要旨  1 被申立人会社の組合員X2らに対する直接雇用の申込義務について
 X2らの平成19年3月末以前の就業形態は、会社の主張するような請負によるものではなく、実質的には労働者派遣であったといえる。したがって、遅くとも18年12月頃には同人らの派遣に関し派遣受入期間制限の抵触日を迎えていたこととなり、同日以降、会社は同人らに対して直接雇用の申込義務を負っていたといえる。
2 直接雇用の申込義務と団交応諾義務との関係について
 前述のとおり、19年1月頃以降には会社のX2らに対する直接雇用の申込義務が発生しており、会社は同人らの身分、労働条件等について誠実に交渉しなければならない段階にあったといえるから、その頃以降は、会社は団交応諾義務を負う「使用者」に当たる立場にあったといえる。しかし、直接雇用の申込義務は、派遣可能期間経過後も派遣先が派遣労働者の使用の継続を希望する場合の規定であって、希望しない場合には当該義務はない。会社は、申立外A社との労働者派遣契約が解消された21年12月末日以降、X2らの使用を継続する意思を喪失し、その後まもなく同人らが作業に従事していた工程を国外に移管し、業務自体がなくなっている。そうすると、本件団交申入れの時点においては、いったん発生していた直接雇用の申込義務は消滅しており、かかる義務が存在することを前提とする団交についても、会社はこれに応じる義務はないというべきである。
3 過去の違法派遣の事実と団交応諾義務について
 労働者派遣契約が解除され、直接雇用の申込義務が消滅したとしても、雇用主に準ずる立場にあった期間中に生じた問題についてまで免責されるものと解することはできない。派遣先が何らかの方法で派遣労働者の雇用機会の確保に努めること及び過去の違法派遣によって派遣労働者に生じた不利益についての補償を行うことなど、派遣労働者の労働条件に関して、派遣先が対応可能な問題はなお残されている。
 申立人組合の団交申入れに掲げられた事項のうち、労働者派遣法違反の状態で働かせていたことについての謝罪に関する事項及び過去に労働者派遣法違反状態で使用してきたことに起因する問題の金銭的解決に関する事項については、過去に同法違反の状態でX2らを働かせていたことによって生じた会社の責任問題を解決するための交渉事項である。したがって、会社はこれらの事項を交渉事項とする団交に応じる義務を負うものである。
 なお、組合は、直接雇用されていない期間の賃金差額の支払いを求めているが、団交拒否が不当労働行為であるとしても、そのことから直ちに賃金差額を請求し得ることにはならないものであるから、かかる救済を命じることはできない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成23年(不再)第70号 一部変更 平成25年2月6日
 
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