労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  扶桑工業外1社  
事件番号  中労委平成24年(不再)第14号  
再審査申立人  ゼネラルユニオン(「組合」)  
再審査被申立人  扶桑工業株式会社(「扶桑工業」)  
再審査被申立人  ダイキン工業株式会社(「ダイキン工業」)  
命令年月日  平成25年1月16日  
命令区分  一部変更  
重要度   
事件概要  1 本件は、①扶桑工業が、同社の工場で従業していた組合員3名(本件組合員ら)の雇止めの撤回等を議題とする団体交渉に2回は応じたものの、その後の団交申入れ(23.1.26団交申入れ)に応じなかったこと、②ダイキン工業が、本件組合員らの雇止めの撤回等を議題とする団交申入れ(23.1.17団交申入れ)に、本件組合員らの使用者でないとして一切応じなかったことがそれぞれ不当労働行為に当たるとして、救済が申し立てられた事案である。
2 初審大阪府労働委員会は、①扶桑工業の対応は不当労働行為に当たらないとして、同社に対する救済申立てを棄却し、②ダイキン工業は本件組合員らの労働組合法上の使用者に当たらないとして、同社に対する救済申立てを却下した。
3 組合は、初審命令を不服として再審査を申し立てた。  
命令主文  1 扶桑工業に対する救済申立てを棄却した部分を取り消し、扶桑工業に対し、23.1.26団交申入れによる団体交渉に誠実に応諾することを命じる。
2 ダイキン工業に対する再審査申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 23.1.26団交申入れに対する扶桑工業の対応は正当な理由のない団交拒否に当たるか
ア 23.1.26団交申入れ前の2回の団体交渉における扶桑工業の回答によれば、本件組合員らの契約更新の可否は、勤務評価に直結しており、本件組合員らは勤務評価により契約を更新しない旨決定されたというのであるから、組合が、扶桑工業に対し勤務評価の具体的な運用、それがどのように本件組合員らに適用されたかの説明を求めるのは当然といえ、扶桑工業においても、「期間雇用契約者であるから、期間満了により雇止めとなった」との説明のみでは足りず、更に一定程度の具体的な説明が必要であることは認識し得たものと認められる。しかし扶桑工業は、2回行われた団体交渉のいずれにおいても、組合が説明を求めていた「本件組合員らが、『何の勤務を、どの様に評価して、雇止めの結論に至った』のか」について、具体的な説明をしていない。
イ 2回目の団体交渉では、扶桑工業と組合の主張が対立する中で、扶桑工業は、自らの主張するところを組合が納得することが最良の解決であるとしながらも、何か方法はないかと思い団体交渉に臨んだ旨述べ、組合もこれに対し、本件組合員らに限定してそのケアを考えて欲しい旨、解決案の内容については扶桑工業が考えるべきである旨を述べている。そして結局、扶桑工業は、自分たちも交渉を続けるほかない旨述べ、組合も、説明を聞いたが納得できないので代替案を提示するよう繰り返し述べ、妥結をみなかった。そうすると、同団体交渉の終了時においては、扶桑工業は組合に対し、本件組合員らの処遇に関する何らかの提案、あるいは説明を行うことが予定されていたものといえ、扶桑工業及び組合共納得のいく要求事項の実現以外での解決を模索する方向で、さらに交渉を進めることがあり得ると了解していたものとみることができる。
ウ 以上からすると、本件組合員らの雇止めについて、雇止めの具体的な理由を説明し理解を求める等、なお交渉を行う余地は残されており、また、扶桑工業にあってもさらに交渉を進めることを認識した上で2回目の団体交渉を終えたものといえるから、23.1.26団交申入れに対し、扶桑工業が、団体交渉は行き詰まっているとして、同団交申入れに応じなかったことに正当な理由があるとはいえず、労働組合法第7条第2号の団体交渉拒否に当たる。
2 ダイキン工業は本件組合員らの労働組合法上の使用者に当たるか
ア 労働組合法第7条にいう「使用者」については、労働契約上の雇用主以外の事業主であっても、労働者の基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定することができる地位にある場合には、その限りにおいて、当該事業主は、同条の使用者に当たるものと解するのが相当である。
イ しかしながら、ダイキン工業が扶桑工業の販売先であることは認められるが、このような取引関係のみをもってダイキン工業が扶桑工業の労働者の基本的な労働条件等について支配・決定していたということはできない。その他両社間には、資本関係、役員の派遣などの人的交流といった、本件組合員らの労働条件につき雇用主と同視できる程度に支配力・影響力を及ぼしていたことを認めるに足る証拠・事情等はうかがわれず、ダイキン工業が本件組合員らの労働組合法上の使用者であるということはできないから、同社が23.1.17団交申入れに応じなかったことには正当な理由があり、不当労働行為には当たらない。  
掲載文献   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成23年(不)第14号 棄却 平成24年3月6日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約257Byteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。