労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成23年(不)第41号 
事件番号  大阪府労委平成23年(不)第41号 
申立人  X労働組合 
被申立人  学校法人Y 
命令年月日  平成24年7月20日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   申立人組合と被申立人法人との間には、法人は組合員の翌年度の労働条件を変更しなければならない事情が生じたときは当該組合員及び組合に通知するとともに、当該組合員が通知に異議がある場合には組合と協議を行うこととする旨の協定が締結されていた。
 本件は、このような状況下で、法人が①非常勤講師である組合員Cの平成23年度の授業コマ数を減少させたこと、②その際、22年度中に団交に応じないままコマ数を減少させるとともに、23年度に入って開催された団交において、その撤回に応じられないとしたこと、③同じく、上記協定に定める組合との協議を行わなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は法人に対し、文書手交を命じ、その他の申立てを棄却した。  
命令主文  1 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
年 月 日
  X労働組合
   執行委員長 A 様
学校法人Y
理事長 B
  当法人が行った下記の行為は、大阪府労働委員会において、(1)については労働組合法第7条第2号に、(2)については同条第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  (1)貴組合員C氏の平成23年度の担当授業コマ数の減少を議題とする団体交渉に関し、不誠実な対応を行ったこと。
  (2)貴組合員C氏の平成23年度の担当授業コマ数の減少に関し、貴労働組合、申立外ゼネラルユニオン及び申立外全国労働組合連絡協議会大阪府協議会との間の平成17年11月30日付けの協定書並びに貴労働組合との間の同21年9月10日付けの和解協定書に違反したこと。

2 申立人のその他の申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 組合員Cの授業コマ数を減少させたことは不利益取扱いに当たるかについて
 被申立人法人は、組合員Cが平成22年度に担当していた科目の金曜日の授業を同年度をもって廃止しており、23年度に削減された同人の2コマの授業は当該金曜日の授業の一部であることが認められる。一方、当該金曜日の授業を担当していた非組合員である他の講師のコマ数もほぼ同様に減少しており、法人が非組合員にだけ特別の便宜を図ったとまでいうことはできない。
 また、法人が23年度に前年度限りの退職者数と同数の2名の講師を新規採用したことについて、申立人組合は同人らの担当する授業をCに担当させることもできたのではないかと指摘し、組合と協議をしないまま新規採用したことは公正・公平な扱いとはいえない旨主張する。しかし、当該新規採用した講師の担当授業は月曜日の1限目と2限目に行われるものであり、Cの担当授業の一部と同じ曜日・時間帯にある。
 以上のとおりであるから、Cのコマ数減少は金曜日の授業の廃止に伴うもので、同人が組合員であることに関連したものということはできない。
2 Cのコマ数減少に関する団交に係る法人の対応が不誠実団交に当たるかについて
 組合は、22年12月14日付け団交申入書によりCのコマ数減少について団交を申し入れており、組合が組合員の労働条件が悪化する可能性があるとして団交を申し入れたことが明らかである。したがって、法人は可能な限り早期に団交を開催すべき状況にあったといえるが、これに対する回答書により23年度の講師各人の担当コマ数は確定していないなどと回答したのみで、そこに団交の開催についての記載はなく、これ以外に組合に対し、団交の開催について何らかの連絡を取ろうとしたなどとする疎明もない。
 また、組合が23年2月1日付け団交申入書により再度団交を申し入れたのに対し、法人はCから異議の申入れがない現在、団交の開催は保留する旨回答している。法人は、Cがコマ数の減少に同意したとの情報を得ていたからであると主張するが、仮にそうだとすれば、法人はがかかる情報を得ていながら、団交申入れに何ら返答しなかったり、団交を保留したりしたこと自体、組合と団交で協議をしようとする姿勢を欠くものであって、問題があるといわざるを得ない。
 以上のとおりであるから、法人の対応は早期に団交を開き、組合と協議を尽くそうとする姿勢に欠けたものであると判断される。
3 組合との協議を行わなかったことが協定に違反するかについて
 法人は23年1月31日付け通知書により、組合に対し、Cのコマ数減少について通知しているが、22年12月の段階で当該コマ数の減少を予定していたことは明らかであり、法人はコマ数を減少させざるを得ない事情が生じた際に組合に速やかに通知しなかったものというべきである。また、労働組合が労働条件の不利益変更について協議を申し入れたならば、特段の事情がない限り、組合員がその不利益変更に異議を申し入れていると解するのが相当であるので、Cからの異議がないことを理由に団交開催を保留した法人の対応は正当な理由なく速やかに協議に応じなかったというべきもので、協定との関係で問題があるといわざるを得ない。
 したがって、法人は、Cのコマ数減少に関して、組合に対し、適切な時期に通知を行わず、速やかに協議を行わなかったものと解さざるを得ず、かかる対応は協定に違反していると判断される。また、協定に違反することが、組合員の組合への信頼を傷つけることなどにより、組合の弱体化を招き得ることは明らかである。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成24年(不再)第40号 一部変更 平成25年9月4日
 
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