労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  テルウェル西日本 (雇止め撤回) 
事件番号  中労委平成23年(不再)第59号 
再審査申立人  大阪電気通信産業合同労働組合(「組合」) 
再審査被申立人  テルウェル西日本株式会社(「会社」) 
命令年月日  平成24年7月18日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 本件は、会社が、組合の組合員を21年3月31日限りで雇止めしたこと(「本件雇止め」)および団体交渉で本件雇止めについて十分な説明をしなかったこと等が、不当労働行為であるとして、救済が申し立てられた事件である。
2 初審大阪府労委は、不当労働行為であると申し立てられた上記1の事実について、いずれも不当労働行為には当たらないと判断し、組合の救済申立てを棄却したところ、組合は、これを不服として、再審査を申し立てた。  
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。  
判断の要旨  (1) 本件雇止めは労組法第7条第1号および第3号の不当労働行為に該当するか。
ア 会社が、組合員のようにパートタイマーとしての雇用契約を8回も更新している者について、労働基準法に準じ、雇止め日の30日以上前に解雇予告通知をすべきと考えたこと、会社のパートタイマー就業規則で退職すると規定されている私傷病による欠勤日数が30日を超えていたとみられることから、21年2月中旬時点において会社が組合員の雇止めを判断していたとしても不自然ではなく問題はない。
イ 本件雇止めを判断する前提として、組合員の健康状態の把握に努めていた会社は、21年4月以降の組合員の就労の可否を同年1月8日付け診断書(うつ状態により3か月の休養を要する)や同月23日付け欠勤届の記載のみでは判断していないと考えられる。また、会社が、同年2月中旬までに組合員が直接会社に対し4月以降の就労意思を表示せず、組合が会社との直接接触を遮るだけであったことを勘案して、同月以降、組合員から安定的に労務を受領できないと考えたとしても無理はない。
ウ 組合員に関する人事管理上の責任を有する会社が、しかるべき責任者による直接接触を通して、組合員の健康状態の確認をすることは当然の責務であり不自然な点はない。また、組合が会社と組合員の直接接触を全面的に拒否する状況のもとで、会社が組合員の主治医への問い合わせをしなかったり、産業医による診察を受けさせなかったとしてもやむを得ない。
エ 会社がメンタルヘルス対策を有していても、会社管理職と組合員が現実的には直接接触できないような状態にあったのであるから、会社が、労働者が会社に自分の病状等を伝えるといった最低限のコミュニケーションが取られていることが前提となる職場復帰支援を行っていなかったとしても、格別の落ち度はないと考えられる。
オ 会社が、20年11月下旬からの目的等を把握できないストライキ通告による組合員の連続不就労を、同年12月16日以降の病気欠勤と一連のものであると認識し、本件雇止めを判断する上で補足材料としたとしても不当とはいえず、その他組合が会社が嫌悪すると主張する組合活動等については、会社が嫌悪しそれ故に本件雇止めを行ったと認めるに足りる証拠等はない。
カ 上記アからオのとおり、本件雇止めは組合員の欠勤の状況および健康状態が芳しいものでなかったことを理由とするものであることは明らかであり、組合員の組合活動への報復の意思ないし組合に対する弱体化の意図は認められないから、本件雇止めは労組法第7条第1号および第3号に規定する不当労働行為には該当しない。
(2) 21.3.31団交及び21.7.8団交における会社の対応は労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するか。
ア 21.3.31団交において、本件雇止めについて、会社が、①組合に対し、事業部内で次年度契約をどうするか検討し、事業部はそれを本社にあげ、最終的には社長が判断した旨説明していること、②21年2月16日の週末に決定したこと、③組合員の主治医に問い合わせをしなかったり、産業医の診察を受けさせなかったことに非があるとすることはできず、会社が持ち得る客観的データから雇止めを判断した旨述べたとしても、同団交における会社の対応が不誠実であったとはいえない。
イ 21.7.8団交において、会社は組合に対し、本件雇止め理由について、21.3.31団交の際と同趣旨の回答を行い、一貫した説明を行っている上に、パートタイマーの就業規則で私傷病によって30日とうたっていることに基づいて本件雇止めを最終的に判断した旨説明しており、会社の対応は不誠実であるとはいえない。さらに、職場復帰支援プログラムは、労働者が円滑に職場復帰するためのものであり、対象となる労働者は会社と雇用関係があることが前提であると解され、同団交時点では、会社と組合員との間で雇用契約がないことは明らかであるから、同時点で会社が組合に対し、同プログラム等を明らかにしなければならない差し迫った事情があったとはいえない。
ウ そうすると、21.3.31団交および21.7.8団交における会社の対応は、労組法第7条第2号に規定する不当労働行為には該当しない。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成22年(不)第13号 棄却 平成23年8月23日
 
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