概要情報
事件名 |
大阪府労委平成22年(不)第13号 |
事件番号 |
大阪府労委平成22年(不)第13号 |
申立人 |
X労働組合 |
被申立人 |
Y株式会社 |
命令年月日 |
平成23年8月23日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社が①組合員Dに対して根拠のない雇止めを実施したこと、②当該雇止めの撤回等を議題とする団体交渉において、申立人組合が求める根拠や資料を一切示さず具体的な説明もしないなど、誠実に対応しなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てをいずれも棄却する。 |
判断の要旨 |
1 組合員Dの雇止めは、組合員であること又は正当な組合活動を行った故をもって行われた不利益取扱いであるとともに、申立人組合に対する支配介入であり、さらに、当委員会に対し救済申立てを行ったことに対する不利益取扱いといえるか。
①Dは平成20年12月16日から本件雇止めのあった21年3月31日まで病気を理由に欠勤が続いていたこと、②被申立人会社が欠勤届及び診断書を用いてDの健康状態では今後の就労に耐えられないと判断したことは不合理であるとまではいえないこと、③組合又はDから21年4月以降の就労の意思表示なり、就労が可能であるとする根拠を示していなかったこと、④組合の主張によっては、会社がD及び組合の組合活動を嫌悪していたとみることはできないこと等を総合すると、会社がDを雇い止めしたことは不利益取扱い、組合に対する支配介入又は当委員会に救済申立てを行ったことに対する不利益取扱いのいずれにも該当しない。
2 団交における会社の対応は不誠実団交に当たるか。
会社は21年3月31日及び7月8日の団交において、Dが今後の就労に耐えられないと判断した根拠について一定の説明をしたとみるべきであって、このような会社の対応が不誠実であったということはできない。
また、組合は、会社は職場復帰支援プログラム等について合同労組には説明しないということを繰り返し明言しており、不誠実である旨主張するが、7月8日の団交の時点で本件雇止めは撤回されておらず、また無効であるという確定的な判断もなされていない状況において、会社が組合に対し職場復帰支援プログラム等について明らかにしなければならないとはいえない。また、会社の発言の趣旨は、同日の時点においては会社には組合の組合員がいないため、職場復帰支援プログラムを説明する必要はない旨の表明であると解することができる。したがって、会社が上記のような発言をしたことのみをもって、組合嫌悪、組合差別意思の表れとまではみることができない。 |
掲載文献 |
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