概要情報
事件名 |
大阪府労委平成22年(不)第41号 |
事件番号 |
大阪府労委平成22年(不)第41号 |
申立人 |
X労働組合 |
被申立人 |
社団法人Y |
命令年月日 |
平成24年6月1日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人法人は、病院、診療所等の施設を申立外独立行政法人Aから運営委託を受けて経営していたが、平成20年2月、Aから健康管理センター2所に係る運営委託契約を翌年3月9日・10日に解約するとの通知を受けた。これら施設の職員は申立人組合を結成し、法人に対し、上記解約通知やそれに伴う職員の雇用・労働条件等を議題とする団交を申し入れた。
本件は、法人と組合との間で計8回にわたり団交が開催された後、法人が解雇撤回に関する団交の申入れに応じていないことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は、申立てを棄却した。
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命令主文 |
本件申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
第1回団交における申立人組合と被申立人法人とのやり取りをみると、組合は本件解約通知があっても、雇用主の責任として雇用を継続すべきとの立場をとっているのに対し、法人は、施設の買受先に採用の要請を行うこと等は検討しているが、雇用の受入先が見つからない職員全員を雇用し続けることはできないと考えている旨述べたということができる。その後5回の団交を経た第7回団交においても、組合は定年までの雇用責任があると主張し、法人は施設の買受先に対し依頼等は行うが、雇用の受入先が見つからない職員全員を雇用し続けることは考えていないことを再度述べている。また、第7回団交は、組合が団交は決裂した旨述べて終了したこと、及び第8回団交においても、組合は、社団法人は存続しているのに単に職場がないだけで、なぜ雇用が失われないといけないのかと思う旨述べ、法人は、解雇は撤回しない旨述べたことが認められる。
以上の経過を併せ考えると、法人は団交で一定の説明をした上で、双方の主張は平行線となったといえる。
さらに、第8回団交において、法人が本件解雇について団交を継続し、何らかの説明をするなどと約束したと認めるに足る疎明はなく、それ以降、本件解雇に関して協議を再開しなければならないような新たな事情が生じたと認めるに足る疎明もない。
以上のとおりであるから、法人が交渉が進展する見込みはなくなったとして、組合員の解雇撤回に関する組合の団交申入れに応じていないことには理由があるというべきである。したがって、かかる法人の行為は不当労働行為には該当しない。
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掲載文献 |
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