労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  タカムラ生コン 
事件番号  中労委平成22年(不再)第47号 
再審査申立人  神奈川シティユニオン(「組合」) 
再審査被申立人  株式会社タカムラ生コン(「会社」) 
命令年月日  平成23年7月20日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   組合が平成21年4月15日及び16日に団体交渉の申入れ(以下「本件団体交渉申入れ」)を行ったのに対し、会社が、同年5月9日付け文書をもって、組合の指定する同年5月12日の団体交渉に出席しない旨を回答したこと等が不当労働行為に当たるとして、救済申立てのあった事件である。
 初審神奈川県労委は、平成21年5月9日付け文書による団体交渉拒否については救済利益があるとは認められず、また、その後行われた団体交渉における会社の対応は不誠実であるとまではいえない等として、組合の救済申立てを棄却したところ、組合は、これを不服として再審査を申し立てた。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 平成21年5月9日付け文書による会社の回答について
ア 平成21年5月9日付け文書には、団体交渉について「貴殿は、平成21年5月12日午後3時から貴殿事務所において、当社との団体交渉を要求していますが、当社は、それに出席しません。」と記載しているのみであって、団体交渉に出席できない理由や、日時、場所について調整を要求する旨の記載はないから、会社が団体交渉の日時、場所等の調整を求めたとはいえないのであって、同文書による会社の回答は適切な対応であったとはいい難い。
イ 会社が団体交渉事項について文書で回答したり、是正措置を講じたとしても、組合に対し、団体交渉の場において回答や説明を行うなどの誠実交渉義務を免れるものではない。他方、組合の会社に対する団体交渉申入れは今回が初めてで、労使間には団体交渉のための手続は形成されていなかったのであるから、組合としても、会社の文書回答に対し、会社の対応の真意と共に交渉の日時、場所等について再確認することが望まれる。しかるところ、本件においては、組合は、会社の回答に対して、改めて交渉日時等について問い合わせることなく、平成21年5月22日、本件救済申立てを行ったものであり、本件労使間においては相互の意思疎通が図られていない状況にあったといえる。
ウ 以上のとおり、本件団体交渉申入れに対する会社の平成21年5月9日付け文書による回答は、適切であったとはいい難いものの、本件においては労使双方の団体交渉実施に向けた意思疎通が不十分であった点に照らすと、この段階で直ちに不当労働行為の成否について結論を出すのは相当でなく、その後の会社の対応をみた上で総合的にこれを判断することとする。

2 団体交渉における会社の交渉態度について
ア 組合は、団体交渉において円滑な解決をしようとしない会社の不誠実な交渉態度が不当労働行為であると主張する。しかしながら、平成21年8月21日及び平成22年6月8日に行われた団体交渉(以下「本件団体交渉」)の状況からすると、会社は、組合の金銭解決の要求に対しても、これに応じられない旨を、具体的に、繰り返し説明するなど、誠意をもって対応していたと評価できる。
イ そして、本件団体交渉におけるその余の議題に対する会社の対応をみても、会社は、誠実に対応していたと認められる。
ウ 以上のとおり、本件団体交渉において、会社は、組合の要求や提案に対して誠実に対応していたものというべきである。

3 団体交渉開催に向けた組合と会社のやり取りについて
 組合は、平成21年11月9日付けで組合が団体交渉を申し入れたところ、会社が組合の指定する同年11月16日の団体交渉に出席しない旨を回答し、同日の団体交渉が行われなかったことについても不当労働行為であると主張している。しかしながら、会社は、出席しない旨の回答と併せて、改めて団体交渉の日時、場所の設定を打合せの上決めたい旨を回答しており、団体交渉に応じる姿勢を示していた。これに対し、組合は、約半年後の平成22年5月31日まで、会社に対し、団体交渉の開催を求めるための働きかけを何らしていないのであるから、平成21年11月9日付けで組合が申し入れた団体交渉が行われなかった責めを会社にのみ帰することは相当ではない。

4 結論
 上記判断のとおり、本件団体交渉申入れに対して、会社が平成21年5月9日付け文書により、組合の指定する同年5月12日の団体交渉に出席しない旨を回答したことが適切であったとはいい難いが、この段階で直ちに不当労働行為の成否を判断すべきものではなく、その後の会社の対応をみると、組合が上記会社回答の13日後には本件救済申立てを行う中で、会社は本件団体交渉申入れに応じて団体交渉を行っており、かつ、同団体交渉における会社の交渉態度は誠実なものであったと評価できる。以上を総合して判断すると、本件団体交渉申入れに対する会社の一連の対応において、労働組合法第7条第2号の不当労働行為が成立するとはいえない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川県労委平成21年(不)第13号 棄却 平成22年8月27日
 
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