概要情報
事件名 |
タカムラ生コン |
事件番号 |
神奈川県労委平成21年(不)第13号
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申立人 |
神奈川シティユニオン |
被申立人 |
株式会社タカムラ生コン |
命令年月日 |
平成22年 8月27日 |
命令区分 |
棄却 |
事件概要 |
本件は、申立人組合の団交申入れに対し、被申立人会社が、組合の指定する開催場所に出向く意向はないと回答して団交を拒否したことが、労組法7条2号に該当するとして申し立てられた事件である。
神奈川県労委は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
1 組合が平成21年4月15日付及び16日付文書で申し入れた団交に対する会社の拒否回答について
会社が組合に発した21年5月9日付文書による回答のみでは、団交に応じる意思がないものと評価されてもやむを得ない。よって、同文書による回答は正当な理由のない団交拒否であると判断する。
2 21年8月21日及び22年6月8日の団交での会社の交渉態度について
本件団交で組合が金銭解決に主眼を置いた交渉態度をとっている以上、会社の対応には無理からぬものがある。また、会社がそのような対応をとったことは不合理であるとまではいえない。さらに、会社は、当初の団交申入れ以後、組合からの指摘事項について措置を講じてきている。
以上のことからすると、本件団交における会社の対応が不誠実であるとまではいえない。
3 団交開催に向けた組合と会社とのやりとりについて
組合からの21年11月9日付「団交要求書」に対し、会社は同月12日付文書で、団交に出席しないこと及び改めて団交の日時・場所について打合せをしたい旨の回答をした。その後の日程調整については、平成22年5月末まで労使双方とも相手側に働きかけをしていない。しかし、組合及び会社は双方とも団交を行いたい旨の意思を示しており、団交が行われていないことをどちらか一方の原因に帰することはできない。本件のような場合、開催場所についてはお互いに譲歩した上で決定することが望ましい。
以上のことからすると、組合からの21年11月9日付「団交要求書」に対する会社の対応は、正当な理由のない団交拒否であるとはいえない。 4 不当労働行為の成否について
当初組合が申し入れた団交に対する、21年5月9日付文書による会社の回答は、労組法7条2号に該当する不当労働行為である。しかし、同年8月21日の団交以降、労使双方で団交日時及び開催場所を調整した上で、22年6月8日には団交が行われていることからすると、当事者同士での団交の開催に向けて調整を行う条件は整ったということができ、前記の団交拒否について、現時点において救済すべき利益があるとは認められない。
また、その後の会社による団交をめぐる対応については、不誠実であるとか、正当な理由のない団交拒否であるとはいえない。
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掲載文献 |
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