労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  西日本旅客鉄道 
事件番号  和労委平成21年(不)第3号 
申立人  ジェーアール西日本労働組合、同関西地域本部、X3 
被申立人  西日本旅客鉄道株式会社 
命令年月日  平成23年4月6日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社が申立人組合の下部組織であるジェーアール西日本労働組合和歌山地方本部の前執行委員長X3(申立人)を和歌山列車区から橋本運転区に転勤させたことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 和歌山県労委は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 本件転勤は、申立人X3にとって通常の転勤を超えた不利益であるか。
 本件転勤は、和歌山列車区運転士から橋本運転区運転士への異動であって、職種転換を伴うものでもなく、X3に限って特別な業務上の負担があるというわけでもない。X3の通勤時間は片道約1時間50分となったから、これを短いとは言えないし、同人の組合活動従事時間の減少もあるから、同人にとって不利益であるとは言えるものの、それらはいずれも和歌山列車区から橋本運転区への転勤という通常の転勤に伴って発生しているものであるから、本件転勤に通常の転勤を超えた不利益を認めることはできない。
2 本件転勤は、申立人組合の正当な組合活動を阻害するものであるか。
 本件転勤が実際に組合活動を阻害したという具体的事実が存在するかについては、申立人が疎明した事実からは阻害したとは評価できない。また、本件転勤当時のX3の具体的な組合活動からは、本件転勤が組合活動を阻害する蓋然性が高いとまで評価することはできない。よって、本件転勤が組合活動を阻害するとは言えない。
3 本件転勤は、被申立人会社の組合又はX3の正当な組合活動への嫌悪が動機となっていたか。
 会社は、組合に嫌悪の情を抱いており、組合が福知山線事故から4年目を迎える平成21年4月25日に行った追悼ミサについて不快の念を持って見た可能性は否定できない上、追悼ミサと本件転勤の人選を開始した時期とは符合するから、全く影響がなかったとは断定できない。また、これまでの組合と会社との厳しい対立を背景に、最近まで組合の中心的人物であったX3を本件転勤の対象者として充てたものと推認することもできる。しかし、業務上の必要性が明確であり、転勤先が通常の転勤範囲内である本件転勤において、組合活動への嫌悪の情が本件転勤命令の決定的動機であったとまで認定することはできない。
4 不当労働行為の成否
 上記1及び3から、本件転勤が労組法7条1号の不当労働行為に該当するとは判断できない。また、上記2すなわちX3が執行委員長を退任し和歌山地本の中心から離れたこと、そして会社がX3の組合活動について十分知り得なかったことから、本件転勤が和歌山地本の弱体化を意図したものであるとまでの評価は困難であり、同条3号の不当労働行為に該当すると判断することはできない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成23年(不再)第32号 棄却 平成25年5月15日
 
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