労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  明静 
事件番号  埼労委平成21年(不)第3号 
申立人  日本食品関連産業労働組合総連合会、明静労働組合 
被申立人  株式会社明静 
命令年月日  平成23年2月24日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   被申立人会社が申立人明静労働組合の執行委員長、執行委員及び副執行委員長を解雇したことは、同人らが中心となって労働組合を結成しようとしたこと(結成したこと)を嫌悪してなされたものであるとともに、労働組合の弱体化を企図してなされたものであり、不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 埼玉県労委は会社に対し、執行委員長ら3名の解雇の取消し・原職相当職への復帰、バックペイ及び組合に対する文書手交を命じた。
命令主文  1 被申立人は、X1、X2及びX3の各解雇を取り消し、それぞれ原職相当職に復帰させなければならない。
2 被申立人は、X1、X2及びX3に、解雇がなかったならば得られたであろう賃金相当額に年5分の割合による金員を付加して、それぞれ支払わなければならない。ただし、同人らが解雇後に他の職に就いて得た収入額は、3割を限度にそれぞれこれを控除するものとする。
3 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を本命令受領の日から7日以内に手交しなければならない。(下記文書の中の年月日は、手交する日を記載すること。)
 株式会社明静が行った明静労働組合の組合員であるX1氏、同X2氏及び同X3氏に対する解雇は、埼玉県労働委員会において不当労働行為であると認定されました。今後はこのような行為を行わないことを誓約します。
 平成 年 月 日
株式会社明静
代表取締役 Y1 
判断の要旨  1 執行委員長らの解雇は、同人らが明静労働組合を結成しようとしたこと(結成したこと)又はその役員として活動していることを嫌悪してなされたものであるか。
 執行委員長X1については、定められた退社時刻に退社せず不必要な残業を繰り返していることなどの事実があったと認められるが、被申立人会社は口頭による注意をしたのみで、譴責、減給、降格等の懲戒手続を一度もとらずに解雇している。執行委員X2については、同人が2ヵ月分の検便を提出していないことに対し、会社は懲戒手続を一度もとらず、同人のほかにも検便未提出者がいたにもかかわらず、同人だけを解雇している。副執行委員長X3については、会社が同人に対し、無断欠勤、無断遅刻及び居眠りについて注意をしたことが認められるが、注意後はこれら無断欠勤等の問題は起きていないと認められるにもかかわらず、解雇している。このように、X1らの解雇については、いずれもこれを正当化するに足りる十分な根拠に基づいてなされたというよりも、むしろ同人らが組合を結成しようとしたこと(結成したこと)を嫌悪してなされたと認められ、労組法7条1号の不当労働行為に該当すると認められる。
2 執行委員長らの解雇は、明静労働組合の団結を弱体化することを企図してなされたものであるか。
 前記1において判断したとおり、X1らの解雇は不当労働行為意思に基づくものと認められるところ、明静労働組合の中心的存在であったX1らを会社外に放逐することによって、組合運営を不可能ならしめるものであったことが認められる。実際に、X1及びX2の解雇がなされた後に同労働組合は事実上活動停止状態になっていることを併せ考えれば、X1らの解雇は同労働組合の弱体化を企図してなされた支配介入行為といわざるを得ず、労組法7条3号の不当労働行為に該当すると認められる。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成23年(不再)第22号 一部変更 平成24年5月9日
 
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