労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  SETソフトウェア 
事件番号  東京都労委平成20年(不)第86号 
申立人  東京管理職ユニオン 
被申立人  SETソフトウェア株式会社 
命令年月日  平成22年 8月24日 
命令区分  一部救済 
事件概要   被申立人会社の従業員Xは自宅のパソコンから会社の若手従業員に対し、労働条件改善のために労働組合の結成を呼びかけるメールを発し、会社はこれを理由に同人を減給処分とした。これを契機に、Xは申立人組合に加入した。翌19年6月、Xに昇給はなく、20年6月の昇給も2千円にとどまった。
 本件は、①Xの昇給がゼロ若しくはごくわずかであり、会社の同年齢の者に比較して低賃金のまま据え置かれていること、②20年6月から10月にかけての4回にわたる団交申入れに対し、会社は文書により回答したのみで、労使対面協議方式での団交に応じなかったことが不当労働行為に当たるとして申し立てられた事件である。
 東京都労委は会社に対し、対面協議方式での団交の誠実応諾を命じ、その余の申立てを棄却した。
命令主文  1 被申立人会社は、申立人組合が、組合員Xの労働条件等に関して団交を申し入れたときは、文書により対応するのみでなく、対面して協議する方式で誠実にこれに応じなければならない。
2 その余の申立てを棄却する。
判断の要旨  1 不利益取扱いについて
 Xに対する懲戒処分、同処分を契機としたXの組合加入、団交申入れ・開催等の事実のあった直近の昇級時となる19年6月1日時点におけるXの昇給額は0円であったものの、組合加入のはるか以前にも0円であったこともあり、また、組合加入後の20年度には2千円昇給していることからすれば、Xの組合加入と、翌年6月に同人の昇給額が0円であったことの因果関係は必ずしも明らかではない。
 従って、Xの組合加入とその後の組合活動を会社が嫌悪した結果、19年6月の昇給額を0円にしたことが、労組法7条1号の不当労働行為に当たるという組合の主張は認められない。
2 団交拒否について
 4回にわたる団交申入れに対して、会社は「Xに口頭で説明している。」等と個人に対する説明と組合に対するそれを混同するかのような回答をしたり、また、新たな要求事項に対して単に文書のみで拒否回答するなど、結果として、組合と対面協議方式で交渉することを避け続ける対応に終始している。このような会社の対応は、明白な団交拒否の態度であり、労組法7条2号に該当する不当労働行為に当たるというべきである。
掲載文献  

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成22年(不再)第56号 棄却 平成24年8月1日
 
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