概要情報
事件名 |
すかいらーく |
事件番号 |
神奈川県労委平成21年(不)第6号 |
申立人 |
X |
被申立人 |
株式会社すかいらーく(「会社」) |
命令年月日 |
平成22年4月16日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被申立人会社が、申立人Xを解雇したことが不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。
神奈川県労委は本件申立てを棄却した。
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命令主文 |
本件申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
1 本件解雇の不当労働行為性について
Xが会社の不当労働行為意思の根拠として主張する各行為について、以下検討する。
(1)Xの勤務日数及び労働時間について
Xは申立外組合Zへの加入後に会社が勤務日数及び労働時間を減らしたと主張するが、Z組合加入後に勤務日数及び労働時間が減少したとは認められず、主張はその前提事実を欠くものである。
(2)Z組合との団交への対応について
Xは会社が再三にわたりZ組合からの団交申入れを拒否したと主張するが、会社が団体交渉を拒否したとは認められない。また、団交で合意した事項を会社が守らなかったと主張するが、平成19年8月1日の団交におけるZ組合の組合掲示板に係る要求について会社が文書回答する旨が合意され、同月18日付けで会社が文書回答した以外は、合意事項があったとは認められず、主張はその前提事実を欠くものである。
(3)組合掲示板について
そもそも使用者は労働組合に対し便宜供与をしなければならない義務を負うものではなく、労使間の話合いによるべき事項である。また、会社が8月18日付け回答で組合掲示板の設置を認めなかったことのみをもって、会社がZ組合あるいはXの組合活動を嫌悪して組合掲示板の設置を拒否したとは言えず、会社に不当労働行為意思があったものとは認められない。
(4)不当発言について
Y店長がXと組合要求に係る話合いをしている中で、Xが不当と主張する発言を行っていることが認められる。しかしY店長の発言が会社の意を体して行われたものと断ずることはできず、その発言をもって会社に不当労働行為意思があったものと認めることはできない。
(5)暴力事件と靴の廃棄について
Y店長が、ステーキの焼き加減に不備があったとしてXの腕をつかんだことは認められるが、当該行為は、Xの組合活動を嫌悪して行ったものとは認められない。また、Y店長がXの靴を廃棄したことは認められるが、Xの靴と認識してあえて廃棄したとは認められず、後日、会社がXに対して靴代を弁償していることからすれば、この問題は既に解決済であると言うことができる。以上のことから、Y店長のこれらの行為が、会社の不当労働行為意思に基づくものであるとは認められない。
以上のとおり、各行為が会社の不当労働行為意思の根拠である旨のXの主張はその前提事実を欠くものであるか、又は当該行為があったとしても会社の不当労働行為意思に基づくものであるとは認められない。
2 不当労働行為の正否について
本件解雇は、Xの組合活動を嫌悪して行ったものとは認められず、したがって、Z組合の運営ないし組合活動に介入したものとも認められないから、労組法7条1号及び3号に該当するということはできない。
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掲載文献 |
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