労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名 NTT
事件番号 中労委平成19年(不再)第52・53号
再審査申立人 (52号)日本電信電話株式会社・(53号)全労協全国一般東京労働組合
再審査被申立人 (52号)全労協全国一般東京労働組合・(53号)日本電信電話株式会社
命令年月日 平成20年11月12日
命令区分 棄却
重要度  
事件概要 1  本件は、会社が、11年7月1日に実施された会社の分割再編成に伴うAの転籍問題等について、組合が16年5月14日に申し入れた団体交渉に応じなかったことが不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
2  初審東京都労働委員会は、会社に対し、転籍問題等に関する団体交渉に応じなかったことは不当労働行為に当たるとして、その旨の文書交付及び履行報告を命じた。
3  会社及び組合は、これを不服として、再審査を申し立てた。

命令主文 本件再審査申立てを棄却する。(初審命令を維持)
判断の要旨 [1]会社からの救済申立て却下の主張について
 Aが会社に在籍したとしても19年3月31日に定年退職していることになるから、本件救済申立ては却下されるべきであるとの会社の主張については、労働委員会は、現時点における事情等一切を考慮したうえで適切な救済方法を定め得るのであるから、Aが定年退職していることになるからといって、組合が申立事実について救済を求める利益を喪失することになるわけではない。
[2]転籍問題等の団体交渉申入れに応じなかったことが、労組法第7条第2号に当たるか
(1)Aは転籍先会社への転籍に同意していたかについて
会社は、Aが転籍に黙示的に同意していたこと及び11年7月1日に転籍して以降何らの異議申立ても行っていないことから、Aの転籍問題に関する団体交渉に応じるべき使用者でないと主張するが、
ア  Aは、会社に対し、転籍日(11年7月1日)前の同年4月26日に転籍に同意できない旨の文書を提出して以降、一貫して転籍には同意できない旨述べ、Aが加入する申立外X組合は少なくとも同年8月30日(Aの転籍を問題視する最後の要求書の提出日)までは、本件転籍に同意していなかったものといえること、
イ  その後、Aは、従前加入していたX組合を脱退し(12年6月30日)、13年8月21日に組合に加入しているが、その間、会社に対し本件転籍に同意していないことの意思表示や異議申立てをしたことはなかったものの、本件転籍問題について漫然と放置するような対応をしていたとは認められないこと、

ウ  また、13年9月から14年5月までに転籍先会社と組合との間において、Aの転籍問題以外のことを含めて23回団体交渉が行われているが、このことをもって組合がAの使用者を転籍先会社と認識していたとは認めることはできず、A自身もそのように考えていなかったことは明らかであること等から、Aは、転籍に同意できない旨の文書を提出して以降、転籍日である11年7月1日以降においても、本件転籍に同意していなかったと認められるから、「Aは、会社が『雇用する労働者』(労働組合法第7条第2号)に該当するといえる。」とした初審判断は相当である。

(2)  Aの転籍問題等に関する団体交渉申入れについて
 会社とX組合との間の本件転籍問題についての団体交渉は、同組合が、Aが同意しないまま転籍を命じた場合には裁判所等で争うことになる旨述べて終了し、しかも、11年8月30日には上記(1)アのとおりの要求書を提出していることからみて、尽くされていたとみることはできない。
 また、AがX組合を脱退した後1年2か月を経て加入した組合は、組合員となったAの労働条件の問題について固有の団体交渉権を有しており、Aの転籍問題はAの雇用の帰趨という労働条件の問題であるから、会社と組合との間の義務的団交事項に当たる。
 さらに、会社は、X組合からの上記(1)アの要求書、組合からの13年8月の団体交渉申入れ、16年5月14日の組合からの本件団体交渉申入れ及びその後の団体交渉申入れに何ら回答をすることもなく、また、応じない理由さえ示すことなく終始し、放置し続けていた。
 このような会社の行為は正当な理由なく団体交渉を拒否していると認められるから、労組法第7条第2号に当たる。

掲載文献  

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委平成17年(不)第11号 全部救済 平成19年7月17日
 
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