概要情報
事件名 |
横浜商銀 |
事件番号 |
中労委平成17年(不再)第22号 |
再審査申立人 |
横浜商銀信用組合 |
再審査被申立人 |
神奈川シティユニオン |
命令年月日 |
平成19年4月4日 |
命令区分 |
一部変更 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、神奈川ユニオンが組合員2名の解雇問題を議題として平成15年12月26日に申し入れた団交を、信用組合が拒否したことが不当労働行為に当たるとして申立てがあった事件である。 初審神奈川県労委は、同17年3月25日、信用組合に対して誠実団交応諾と文書手交を命じたところ、信用組合はこれを不服として、同年4月6日、再審査を申し立てた。 |
命令主文 |
初審命令主文を一部変更して、文書手交を命じ、その余の再審査申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
(1) 信用組合は、平成16年1月14日付け文書で、神奈川ユニオンからの団交要求を拒否し、その理由として交渉内容が妥協余地のない状況であったと主張する。しかし、神奈川ユニオンは組合員の解雇問題を議題に団交を申し入れたのであるから、たとえ譲歩する意思がなかったとしても、信用組合は団交の場で委細をつくして説明しなければならず、始めから団交を拒んだ対応に正当な理由があったとは認められない。したがって、信用組合が本件団交を拒否したことは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為に当たる。 (2) しかしながら、初審命令交付後の団交の状況についてみてみると、信用組合は、労使それぞれの希望場所での団交の交互開催及び原則理事長出席の実現に向けて努力しており、実際にも団交が行われてきたので、現時点においては、団交を命じるまでの必要性は認められない。 ただし、信用組合は、初審命令が出たのでやむを得ず団交をやっている旨肯定し、整理解雇の有効性については、裁判で決着がつくから団交は時間の無駄であると発言するなど、団交軽視の姿勢を窺わせるとともに、団交の打ち切りを示唆している。そうすると、信用組合が、整理解雇に関する具体的な資料を示して、組合員2名が選定された理由を説明していることを踏まえても、現時点においては、信用組合と神奈川ユニオンとの間で安定した団交が確立されたとまではいえないため、文書手交を命じるのが適当である。 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集137集《19年1月~4月》1078頁 |