概要情報
事件名 |
シマダヤ |
事件番号 |
中労委 平成15年(不再)第36号
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再審査申立人 |
シマダヤ株式会社 |
再審査被申立人 |
東京西部一般労働組合 |
命令年月日 |
平成16年12月15日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、その子会社であるシマダヤ運輸の従業員が加入した組合から申し入れのあった、労働条件の変更等を議題とする団体交渉に、使用者でないとして応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、初審東京都労委は、会社に、子会社の従業員である組合員の労働条件の変更に関する団体交渉に誠意をもって応じること等を命じた。 会社はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、団体交渉誠実応諾を命じた部分を文書掲示・手交に改め、その余の再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文を次のとおり変更する。 再審査申立人は、再審査被申立人に対し、本命令受領後速やかに、下記の文書を手交するとともに、縦1メートル、横1.5メートルの白紙に下記の内容を明瞭に記載し、シマダヤ運輸株式会社の従業員の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 (下記省略) |
判定の要旨 |
4915 親会社
会社は、(1)申立外シマダヤ運輸の資本、人事、組織及び事業活動のいずれも全面的に支配下においていたこと、(2)シマダヤ運輸の従業員の賃金及び労働条件は、会社の輸配送実績及び配送コース別に会社が提示する運賃により実質的に決定される関係にあったこと、(3)シマダヤ運輸が一人一車輌体制を廃止したとしても、会社がシマダヤ運輸の従業員の賃金及び労働条件について、雇用主であるシマダヤ運輸と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配し、実質的に決定できる地位にあったことからすると、会社はその限りにおいてシマダヤ運輸従業員の加入する組合に対して労組法第7条第2号に規定する使用者であったとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
会社は、シマダヤ運輸の従業員の賃金及び労働条件に関して団体交渉に応ずべき労組法上の使用者であるから、シマダヤ運輸従業員の加入する組合の申入れた団体交渉を、使用者ではないとの理由で拒否することは正当な理由のない不当労働行為とされた例。
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
会社が従前シマダヤ運輸に委託していた業務をA社に委託するようになり、A社は会社から受託した物流業務をシマダヤ運輸に再委託していること等からすると、会社から支払われる運賃によってシマダヤ運輸の運転士の賃金が実質的に決定されるという従前の構造が維持されているとまでは認められず、会社が、シマダヤ運輸従業員の賃金及び労働条件について、A社に業務委託した以降においても引き続き、従前の地位にあったということはできず、A社に業務委託した以降において会社に団体交渉応諾を命じることは相当でなく、本件救済方法としては、団体交渉応諾を命じた初審命令を変更し、文書の掲示・手交を命じた例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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