概要情報
事件名 |
渡島信用金庫 |
事件番号 |
中労委平成17年(不再)第45号
|
再審査申立人 |
渡島信用金庫 |
再審査被申立人 |
渡島信用金庫労働組合 |
命令年月日 |
平成18年 5月24日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
|
事件概要 |
金庫は、(1)組合員X1を別件民事訴訟においてA支店勤務との判決が確定したにもかかわらず、組合と事前に協議することなく一方的にB支店に異動させたこと、(2)組合員X2の異動に関するあっせん申請について、同組合員を非難し申請を取り下げるよう圧力をかけたこと、(3)新就業規則を組合と協議せず一方的に実施したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、北海道労委は、金庫に対し、(1)組合との誠意ある協議なく、X1を一方的にB支店に異動させることによる支配介入の禁止、(2)X2の異動に関するあっせん申請について、同人を批判し圧力をかけることによる支配介入の禁止、(3)就業規則の変更に係る誠実団交応諾、(4)組合と誠意ある団体交渉を行わないまま就業規則を変更することによる支配介入の禁止、(5)文書掲示を命じた。 金庫はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、初審命令の一部を変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 Ⅰ 初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人は、再審査被申立人の組合員X1が再審査申立人のA支店において勤務す る地位を有することを認めた判決が確定したにもかかわらず、同組合員を一時的に同支店 に配置した後にB支店に異動させるに当たり、再審査被申立人の事前協議等を求める緊急 申入れに応じず、協議を行わないなどして、再審査被申立人の運営に支配介入してはなら ない。 Ⅱ 初審命令主文第5項を削る。 Ⅲ その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
2901 組合無視
2249 その他使用者の態度
X1をA支店からB支店に異動させるに当たり、組合の事前協議等を求める緊急申入れに応じず、予定されていた組合との団体交渉日の前日にX1に対しB支店への異動辞令を発し、組合と協議しなかったことは、A支店勤務を求めてきた組合の存在を無視することにより、その弱体化を企図したものと認められるから、組合の運営に対する支配介入であると判断された例。
2620 反組合的言動
3200 不当労働行為とされた例
会社の利益代表者である支店長があっせん事項である配置転換の当事者であるX2と個別に面談し、「労働委員会にあっせん申請したのか。」等の発言を行ったことは、組合員に対し個別に圧力をかけることにより組合の弱体化を企図した組合の運営に対する支配介入であると判断され、また、支店長の言動は、X2の配置転換に係る組合のあっせん申請を契機としてなされたものであり、あっせん申請に際して発言したX2に精神的不利益である圧力をかけるものと認められるから、同人に対する報復的不利益取扱いであると判断された例。
2240 説明・説得の程度
2251 一方的決定・実施
2901 組合無視
昇給停止・逓減措置の実施を含む就業規則等の改訂について、会社が組合と誠実に団体交渉を行ったとは言えず、また、会社が組合に対しその内容を十分に説明することなく一方的に新就業規則を実施したことは、組合の意向とその存在を無視するものであり、その運営に支配介入するものであると判断された例。
|
業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
|
評釈等情報 |
 
|