概要情報
事件名 |
伏見織物加工(脱退強要等) |
事件番号 |
中労委平成11年(不再)第37号
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再審査申立人 |
京都-滋賀地域合同労働組合 |
再審査被申立人 |
伏見織物加工株式会社 |
命令年月日 |
平成17年 6月15日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、(1)X1に組合員かどうかを確認する発言を行ったこ
と、(2)利益誘導によりX1を組合から脱退させたこと、(3)組合が従業員宛てに送付した葉書の内容に反論する文書を社内
に回覧したこと、(4)X1に対する利益誘導問題に関する団交を拒否したこと、(5)X2を利益誘導により組合から脱退させ
た上、同人をして、別事件の取消訴訟事件において虚偽の発言をさせたこと、(6)X2に対する利益誘導問題に関する団交を拒
否したこと、及び(7)団交を求める組合の門前活動を妨害したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、京都府労委
は、本件申立てを棄却又は却下した。
組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、本件再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2622 組合員調査
社長が組合員X1に対し組合執行委員長と企業内組合の組合員との小競り合いについて問いかけたことはあるものの、社長の問い
かけが匿名組合員を探そうとしたり、X1が組合の組合員あることを確認しようとしたものとは認められず、社長の問いかけは支
配介入に当たらないとされた例。
3106 その他の行為
会社は、X1が組合員であることを知らずに嘱託として再雇用することを決定して、同人に再雇用を働きかけ、同人と合意した再
雇用の条件も特段同人を優遇するものではなかったこと、また、X1は組合脱退後会社に嘱託再雇用を辞退したいと申入れたとこ
ろ、会社が慰留に努めていることからすると、会社の行為はX1に対する利益誘導による脱退勧奨の不当労働行為に当たらないと
された例。
2620 反組合的言動
会社が社内で回覧した回覧版の記載が虚偽であることの疎明はなされていないから、虚偽の内容を回覧することにより組合の信用
を失わせ、組合の団結を破壊する支配介入であるとの組合の主張は採用できないされた例。
2112 雇用する従業員不存在
組合がX1問題について会社に団交を申し入れた当時、X1はすでに組合を脱退しており、他に会社内に組合員は存在していな
かったと認められるから、会社が団交に応じる義務義務はないとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
X2の退職金問題は、同人が会社を円満に退社し、退職金の支払いも解決済みであり、組合には団体交渉拒否及びこれを理由とす
る支配介入の点において被救済利益がないとの判断が確定しており、また、X2自身が組合に加入したことはないのであるから、
X2の退職金支払いによる利益誘導を理由とする支配介入について、組合には被救済利益はないとされた例。
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業種・規模 |
衣服・その他の繊維製品製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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