概要情報
事件名 |
加部建材・三井住建道路 |
事件番号 |
中労委平成15年(不再)第52号
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再審査申立人 |
X1 |
再審査被申立人 |
三井住建道路株式会社 |
再審査被申立人 |
有限会社加部建材 |
命令年月日 |
平成17年10月19日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
(1)個人X1に対し、運送会社が、傭車契約を解除したこと、
(2)荷主である道路工事会社が、敷地内からX1所有のトラックの移動を求める通知を行ったことが不当労働行為であるとして
争われた事件で、東京都労委は、本件救済申立てを棄却した。
申立人個人X1は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1107 その他
3604 労働者に落度がある場合
X1組合員は、H運輸において顧客との間でトラブルを起こして契約を打ち切られ、会社の運搬業務を開始する際に、同人の業務
態度について、会社社長から暴力行為を行ったら辞めてもらう旨の警告を受けていたにもかかわらず、業務に支障を生じさせるよ
うなトラブルを再三起こしていたこと、X1が同組合員X2に対して行った注意は、支部活動の一環であったとしても、X2に対
する本件暴行事件は、正当な組合活動の範囲を逸脱したものであると認められ、その結果X2が被害届を出す事態になったのであ
るから、会社は、正当な組合活動とはいいがたい本件暴行事件を直接の契機として、同人の業務態度をも斟酌して本件契約解除を
決定したことには正当な理由があったものと認められること、同人の業務態度をかんがみれば、会社社長が「X1を入社させなけ
ればよかった」との発言があったとしても不自然ではなく、会社が本件契約を解除するに当たり、同人の組合活動を嫌悪し、支部
を弱体化させるとの意図があったとは認められないこと等から、本件契約解除は、不当労働行為に該当しないとされた例。
4900 請負・委任・派遣契約
M社は会社との間で運搬業務請負契約を締結しており、会社に対してM社の業務遂行に対する傭車運転手らの運搬代金を一括して
送金していたこと、X1に対する本件契約解除通知は会社から手交されていることなどを勘案すれば、M社は本件契約解除につ
き、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定することができる地位にあったとは認められないこと、また、M社
は、傭車運転手のみで構成されている支部からの団交申入れに「話し合う立場にない」と回答していることから、M社は、支部を
単に傭車運転手の団体であり、団体交渉の相手方としては認識していなかったことが認められること等から、M社はX1の本件契
約解除につき、労組法の使用者に該当するとはいえず、同社が不当労働行為を行ったものとも認めることはできないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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