概要情報
事件名 |
丸一展装 |
事件番号 |
中労委平成14年(不再)第55号
中労委平成14年(不再)第52号
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再審査申立人 |
丸一展装株式会社 |
再審査申立人 |
全労連・全国一般労働組合愛知地方本部あいち支部 |
再審査被申立人 |
全労連・全国一般労働組合愛知地方本部あいち支部 |
再審査被申立人 |
丸一展装株式会社 |
命令年月日 |
平成17年 6月15日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、(1)組合員X1及びX2を配転したこと、(2)賃上げ、X1及びX2の配転の撤回、年間休日日数増加及び法定休日の曜日指 定の各要求に係る団体交渉にそれぞれ誠実に応じなかったこと、(3)組合の団体交渉担当者の交替を求めたことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、愛知県労委は、会社に対し、団体交渉で、賃上げ等の回答に関し、経営状況等の資料を提示して誠実に説明しなければならないこと、及びX2の配転がなかったものとしての取り扱い及び原職相当の復帰を命じ、その余の申立ては棄却した。 組合及び会社は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、初審命令の一部を変更し、文書手交を命じ、その余の再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文
Ⅰ 初審命令主文を次のとおり変更する。 1 丸一展装株式会社は、本命例後、速やかに、下記文書を全労連・全国一般労働組合愛知 地方本部あいち支部に手交しなければならない。
記
平成 年 月 日
全労連・全国一般労働組合愛知地方本部 あいち支部
執行委員長 X3 殿
丸一展装株式会社
社長 Y1
当社が、2000年春闘賃上げ要求に対し、回答の根拠となる資料の提示を拒否し、具体的な説明を尽くそうとしなかった交渉態度は、中央労働委員会によって、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認定されましたので、このことを当社は誠実に受け止めるものです。(年月日は文書手交の日を記載すること)
2 その余の初審救済申立てを棄却する。
Ⅱ その余の各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
団交担当者の交代を要請する副社長の発言内容自体、不適切な面があったことは否めないが、発言後も団交担当者は交代することなく団交に出席している状況等からすれば、副社長の発言が組合運営に対する支配介入とまでは認めることができないとされた例。
2240 説明・説得の程度
2301 人事事項
2300 賃金・労働時間
組合員2名の配転の撤回要求、年間休日日数増加要求及び法定休日の曜日特定の要求に対する会社の対応に不誠実さは認められないが、他方、賃上げ要求に係る団交において、組合が提示を求めた財務関係資料として、貸借対照表等商法上の計算書類そのものを提示すべきとはいえないにしても、賃上げ要求に対する回答の根拠となる経営状況等に関する何らかの客観的資料を提示するなどして具体的に説明の努力を尽くすべきものと考えられるところ、会社はそのような努力を尽くすことのない不誠実な交渉態度をとっているのであるから、これのような会社の対応
1300 転勤・配転
分会長X1を看板部門から展示会場の設営・撤去等の業務部門に配転したことは、会社が業務部門の拡充と看板部門の合理化を図る観点から行われており、人選にも不合理な点があったとは認められず、会社が分会長のX1をことさら嫌悪して、不当に差別した取扱いをしたとみることはできず、また、組合の力を削ぐことを企図した支配介入に当たるとも認められないとされた例。
1300 転勤・配転
分会書記長X2を事務的業務から展示会場の設営・撤去等の業務部門に配転したことは、ある程度の不利益性は認められるが、業務上からやむを得ない措置と認められ、業務運営上の必要性が認められ、会社が分会書記長のX2をことさら嫌悪して、不当に差別した取扱いをしたとみることはできす、また、組合の力を削ぐことを企図した支配介入に当たるとも認められないとされた例。
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業種・規模 |
その他のサービス業(他に分類されないサービス業) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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