労働委員会命令データベース

(こ の事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]

概要情報
事件名  松蔭学園 
事件番号  東京都労委平成15年(不)第102号 
東京都労委平成13年(不)第20号 
東京都労委平成14年(不)第29号 
申立人  個人X1外2名 
申立人  松蔭学園教職員組合 
被申立人  学校法人松蔭学園 
命令年月日  平成17年12月20日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  本件は、学園が、組合員X1の平成7年度及び8年度の一時金並びに 平成9年度から14年度までの給与及び一時金、組合員X2の平成8年度の一時金並びに平成9年度から14年度までの給与及び 一時金、組合員X3の平成11年度から14年度までの給与及び一時金を差別して支給したことが不当労働行為であるとして、争 われた事件である。
 東京都労委は、学園に対し、①組合員3名に対する申立て年度の給与及び一時金の是正並びにバックペイ(年率5分加算)、 ②①に関する文書交付を命じた。 
命令主文  1 被申立人学校法人松蔭学園は、申立人X1、同X2及び同X3の 給与及び一時金について、次のとおり措置しなければならない。
 (1) X1の平成7年度及び8年度の一時金並びに9年度から14年度までの給与及び一時金を別表11記載のとおり是正し た上、是正後の給与及び一時金と既に支給した給与及び仮処分事件の和解による仮払金との差額を支打うこと。
 (2) X2の8年度の一時金並びに9年度から14年度までの給与及び一時金を別表11記 載のとおり是正した上、是正後の給与及び一時金と既に支給した給与及び仮処分事件の 和解による仮払金との差額を支払うこと。
 (3) X3の11年度から14年度までの給与及び一時金を別表-1記載のとおり是正した上、是正後の給与及び一時金と既 に支給した給与及び仮処分事件の和解による仮払金との差額を支払うこと。
 (4) 被申立人学園は、前項(1)ないし(2)の差額に年5分の割合による金員を付加して支払うこと。

2 被申立人学園は、申立人らに対し、本命令書受領の日から1週間以内に、 下記内容の文書を交付しなければならない。

             記

                        平成  年  月  日

 松蔭学園教職員組合

 執行委員長  X1 殿

    X1  殿
    X2  殿
    X3  殿

                      学校法人松蔭学園

                      理事長  Y1

 生成8年度ないし14年度において、当学園が貴組合の組合員X1氏、同X2氏及び同X3氏の一時金または給与及び一時金に 関し、低額な回答を続け、低額な給与を支給し、一時金を支給しなかったことは、不当労働行為であると東京労働委員会において 認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。
 (注:年月日は交付した日を記載すること。)

3 被申立人学園は、全各項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員の昇給の回答及び一時金の回答に非組合員との間に大きな格差が存在することについて、学園が組合ないし組合員を著しく 嫌悪していることを考え併せると、組合が妥結できないであろうことを知りながら、X1らが組合員であるが故に一律的に同人ら の昇給及び一時金の低額回答を続けることによって、同人らを経済的、精神的に追いつめることを狙った不利益取扱いに当たり、 また、組合員全員に対して昇給及び一時金の差別を繰り返していることは、組合の弱体化をも意図する支配介入にも該当するとさ れた例。

5201 継続する行為
学園は、組合から賃金是正に関する要求、仮処分申立て等による抗議、是正申し入れを認識しつつ、組合及び組合員を嫌悪し、組 合員を差別する意図のもとに、毎年の昇給及び一時金について差別した回答を繰り返して、差別的取扱いを継続していたと認めら れ、これは、学園の不当労働行為意思が一貫して不断に存在する一体の行為として継続する行為と判断することが相当とされた 例。

4415 賃金是正を命じた例
組合員に対する昇給及び一時金について非組合員と格差が認められる本件の救済としては、平均的な昇給がなされたならば得られ たであろう本給を想定し、それに基づいて組合員の給与額及び一時金額を算出した上、既支給額との差額の支払いを命ずることが 相当とされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献   
評釈等情報   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成18年(不再)第4号、同第7号 一部変更 平成19年8月1日
東京地裁平成19年(行ウ)第582号 棄却 平成21年2月12日
 
[全 文情報] この事件の全文情報は約494KByteあ ります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダ ウンロードが必要です。