概要情報
事件名 |
みのり農業協同組合 |
事件番号 |
兵庫県労委平成16年(不)第3号
兵庫県労委平成16年(不)第5号
兵庫県労委平成15年(不)第6号
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申立人 |
みのり農業協同組合労働組合 |
被申立人 |
みのり農業協同組合 |
命令年月日 |
平成17年 9月15日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、①ライフアドバイザー(以下「LA」という。)の就業時間の変更に関する団体交渉における被申立人協同組合の対応が団体交渉拒否に該当すること、②労働時間管理に関する不誠実団交、③組合のメール便使用に対する制限、組合員に対する上司の言動、労働協約の部分解約及び会議等における農協役員の発言等が争われた事件である。 兵庫県労委は、農協に対して、誠実団交応諾を命じ、その余の申立ては、棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人みのり農業協同組合は、申立人みのり農業協同組合労働組合と交わした平成16年 11月15日付け「『時間外労働に関する要求書』についての確認書」において「現行の出勤簿 で出勤時と退社時を明記できるよう改善する」としたことを受け、当該改善措置を速やかに 実行に移すか、それができない場合には、その理由について申立人労働組合に説明を尽くす などして、当該組合と誠実に団体交渉をしなければならない。 2 その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2303 福利厚生
2305 労働協約との関係
農協はLAの就労時間変更について就業規則に基づく業務命令で実施する前に所轄労働基準監督署に確認するなど慎重な手続きを踏んでおり、また、組合に意見を述べる機会を与えていたこと、就業規則の規定に基づいて職員の労働条件を変更する場合にまで事前協議の対象とすることを労使が合意していたと考えることは妥当性を欠くことからすると、LAの就業時間変更に関する農協の対応をもって団交拒否の不当労働行為に当たらないとされた例。
2249 その他使用者の態度
2240 説明・説得の程度
農協は団交においてタイムカードは導入しないが、出勤簿を改善する旨回答し、確認書も作成しているにもかかわらず、本件審問終結時に至っても出勤簿の改善が実行されておらず、その理由を明確に説明していないのであるから、かかるかる農協の対応は労組法第7条第2号に該当する不誠実団交とされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
農協の本支店間や支店間のメール便は、農協業務のために設けられた配送システムであり、農協の許諾なしにこれを組合活動のために利用する権利は組合にないのであるから、農協が組合のメール便使用について許可を要求したことは、支配介入の不当労働行為には該当しないとされた例。
2620 反組合的言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
農協の課長らが組合員らに、組合員らが参加した審問の傍聴や業務の状況・将来について発言した事実は認められるが、その発言が組合脱退を勧奨するものであったことや、組合活動を行うことで人事上不利益を受ける旨の内容であったことを示すに足りる疎明はなく、課長らの発言をもって支配介入の不当労働行為に当たらないとされた例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
協定書の解約によって、円滑な団交が著しく妨げられ、また、組合活動に格段の支障が生じるというのであれば格別、そのような特段の事由を見出し難い本件にあっては、協定書の部分解約をもって、支配介入の不当労働行為に該当するということはできないとされた例。
2620 反組合的言動
会議・朝礼等における農協役員の発言は、その発言自体があったとの疎明がないことや、組合活動に支障が生じるとは一般に解し難い程度の発言内容であり、これをもって、支配介入の不当労働行為とはいえないとされた例。
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業種・規模 |
協同組合 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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