概要情報
事件名 |
JR貨物(国労) |
事件番号 |
東京都労委平成14年(不)第56号
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申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
日本貨物鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成17年 4月 5日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、13年度夏季手当及び同年末手当の支給に関し、申立人組合の組合員及び申立外組合の組合員に対する成績率100分の2増の適用率において、それぞれ10数%及び90%と格差を生じさせたことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、会社に対し、(1)申立人組合の組合員に対し、会社全体の平均適用率と同率となるよう再度適用者を選定し、既に支払った手当との差額の支払、(2)文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人日本貨物鉄道株式会社は、平成13年度夏季手当及び同年末手当における成績率100 分の2増の措置について、申立人国鉄労働組合の組合員に対する同措置の適用率が会社全体 の平均適用率と同率となるよう再度適用者を選定し、同人らに既に支払った同手当との差額 を支払わなければならない。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交 付しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合 中央執行委員長 Y1 殿 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
1205 別組合員に対する特別手当の支給
平成13年度夏季及び年末手当につき、勤務成績が優良な社員に100分の2増額する措置をとった会社の運用実態は、社員の勤務への取組姿勢など、評定者の主観によるところの大きい事象が適用対象者選定に影響していると考えられ、本件増額の適用対象者とされる「優良な社員」か否かの判断根拠は別組合所属組合員に有利な施策が重点的に評価される一方、国労所属組合員の日常業務における成果や業績は軽視されている傾向がみられるなど、増額の適用者選定手続が公正に実施されたとはいえず、その結果別組合所属の組合員の90%以上が増額されたのに対し、国労所属の組合員では10数%が増額されたにすぎず、別組合所属組合員に有利な取扱いがなされたといわざるを得ないとされた例。
2240 説明・説得の程度
2249 その他使用者の態度
平成13年度夏季及び年末手当につき、勤務成績が優良な社員に100分の2増額する措置をとったことは、国労に交換条件や新たな負担を生じさせるものではないが、これが賃金規程に定めのない臨時措置であり、従来から手当本則の成績率の適用における組合間差別の発生を主張している国労が、新たな組合間差別を危惧して本件増額の詳細を確認した上で妥結したいと考えるのは、会社として十分予測し得るところであるにもかかわらず、具体的な適用基準、適用対象者数や原資等を一切明らかにしない等の会社の対応は、国労に対して本件増額を公平、公正に実施するとの説明を尽くしたとは到底いえないばかりか、妥結か否かの二者択一を迫る極めて硬直的な態度であり、自らが提案した賃金に関する新たな措置について、国労との妥結を模索する態度として誠実とはいえないとされた例。
2625 非組合員化の言動
2900 非組合員の優遇
本件増額の適用が別組合所属組合員に有利な取扱いがなされたといわざるを得ないこと、本件増額の導入に当たって会社が国労に対して誠実さを欠く対応をとったこと、会社の国労に対する嫌悪の情を併せ考えれば、本件増額の適用結果は、会社が協調する別組合所属組合員を有利に取扱い、嫌悪する国労所属組合員には適用を少数に止めることによって、組合の影響力を減殺し、また、組合が弱体化することを企図した支配介入であると判断された例。
4413 給与上の不利益の場合
平成13年度夏季及び年末手当の増額措置に当たって組合間差別が不当労働行為と認められる場合の救済としては、会社全体の増額の平均率(増額適用対象者数を期末手当支給対象者数で除した数)を算出し、国労組合員に対する適用率を当該平均適用率とするのが妥当とされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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