労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  エイアイジー・スター生命保険 
事件番号  東京都労委 平成15年(不)第77号 
申立人  全国銀行労働組合連合会 
申立人  銀行産業労働組合 
被申立人  エイアイジー・スター生命保険株式会社 
命令年月日  平成17年 3月15日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社の顧客サービス本部を県外に移転することに伴う嘱託事務員の雇止め問題について行われた5回の団体交渉において、会社が同社の決定に変更の余地はないなどとする主張に固執し、また、組合からの質問に対し根拠を示さないなど、誠実に回答しなかったことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、会社に対し、(1)団交において、同社の決定に固執せず、組合からの質問に対し回答の根拠を裏付けるに足りる資料を示すなどの誠実団交応諾、(2)文書掲示を命じた。 
命令主文  1 被申立人エイアイジー・スター生命保険株式会社は、申立人全国銀行労働組合連合会及び 同銀行産業労働組合が組合員たる嘱託事務員の解雇問題を議題とする団体交渉を申入れたと きは、被申立人会社の決定に変更の余地はないなどとする主張に固執せず、組合からの質問 に対し、会社の回答の根拠を裏付けるに足りる資料を示すなどして、誠実に応じなければな らない。

2 被申立人会社は、本命令書受領後1週間以内に、下記内容の文書を55cm×80cm(新聞紙2 頁大)の白紙に楷書で明瞭に墨書して、本社内の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなけ ればならない。
        (下記略)

3 被申立人会社は、前項を履行したときは速やかに当委員会に文書で報告しなければならな い。 
判定の要旨  2240 説明・説得の程度
2241 他の係争事件の存在
2301 人事事項
嘱託事務員X4らの雇用問題を議題とする5回にわたる団体交渉において、組合は、X4らの雇用関係が期間満了により終了することなく継続されるべきであるとの主張を裏付ける事実を具体的に摘示しているのに対し、会社は、一貫してX4らの雇止めに対する会社の方針は決定済みであって、組合と交渉を行う余地はなく、後は組合が裁判所に提起して、X4らの雇止めが無効であるとの判決を得るほかないとの主張に終始していたことは、会社が、使用者として、X4らの雇用問題について組合を納得させるべく真摯に努力していたとは認められないとされた例

2240 説明・説得の程度
2301 人事事項
会社は、期間満了後に嘱託事務員X4らを受け入れることができる職場の存否について、X4らの新規雇用を提案し、これに関する組合の質問に部分的には答えているものの、現実的に重要な情報について組合が質問しても、経営判断に属する事項であるから具体的な説明及び数字は回答しないなどと述べて、これを明らかに拒否するとの対応に終始しているのであって、真摯に調査を行い、組合からの質問に対し、根拠となる資料を示して回答するなど誠実に対応していたとみることはできないとされた例。

2240 説明・説得の程度
2301 人事事項
会社は、嘱託事務員X4らの雇用問題に関する第5回団体交渉において、あらかじめX4及びX5の履歴事項の変更の有無及び希望の職種と勤務場所等を聴取していたものの、組合に要員計画や退職者数に関するデータを開示したわけでもなく、また、増員を求める職場が期待できない方法による調査を行ったのみで、両名の受け入れ先はないと回答したに過ぎず、これをもって、交渉が尽くされたと認めることはできないとされた例。

2240 説明・説得の程度
2301 人事事項
会社は、組合が嘱託事務員の雇用継続に関して摘示した事項の事実関係を確認した上で、自らの見解を具体的に説明して誠実に交渉に応ずべきであり、また、X4らを受け入れることができる職場の存否については、会社の回答の根拠を裏付けるに足りる資料を示して、交渉を尽くすよう努力すべきであり、誠実団交応諾及び文書掲示を命じた例。

業種・規模  金融業、保険業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成17年(不再)第31号 棄却 平成18年6月21日
 
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