労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  芙蓉苑(契約終了等) 
事件番号  鹿児島地労委 平成14年(不)第2号 
申立人  芙蓉苑労働組合 
被申立人  社会福祉法人幸風会 
命令年月日  平成16年 3月16日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)団体交渉応諾のあっせん申請がなされたことを理由に団交を拒否したこと、(2)組合員に対し組合からの脱退を強要したこと、(3)非常勤職員である組合役員3名に対し雇用契約の更新を拒否したことが不当労働行為として争われた事件で、会社に対し、(1)誠実団交応諾、(2)組合を脱退するよう働きかけなどしての支配介入の禁止、(3)組合員3名の原職復帰を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人から平成14年3月12日付で申入れのあった団体交渉に誠意をもって応じなければならない。
2 被申立人は、申立人組合員に対し申立人組合を脱退するよう働きかけなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。
3 被申立人は、申立人組合の組合員X1、組合員X2及び組合員X3について、平成14年4月1日以降、被申立人の従業員として原職に復帰させなければならない。 
判定の要旨  4917 使用者団体
法人は、申立人は「権利能力なき社団」の要件を欠如しており、本件申立ては却下すべきであるとするが、申立人は団体としての組織を備え、多数決の原理が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織において代表の選出方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているから、法人の主張は採用できないとされた例。

5140 資格審査
法人は、申立人は労組法適合組合としての要件を欠如しており、本件申立ては却下すべきであるとするが、申立人組合は労組法適合組合としての要件を備えていることについては、当委員会公益委員会議で申立人組合を労組法適合組合であることを認定したとされた例。

2210 組合員名簿・組合規約不提出
2241 他の係争事件の存在
2249 その他使用者の態度
労組法適合組合であるかどうかを法人に明示しなければ団交に応じられないとする法人の主張は認められないこと、組合員名簿等の不提出をもって団交を拒否する正当な理由とはならないこと、団交について書面の交換による方式が許される場合は直接話し合うことができないことに合理的な理由がある場合に限られるから、法人の行った文書回答をもって団交に応じたとはいえないこと、あっせん申請しても使用者に団交を求めることは何ら差し支えなく、組合のあっせん申請を理由とした法人の団交拒否の主張は認容できないことから、本件団交拒否は、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するとされた例。

2620 反組合的言動
2625 非組合員化の言動
組合設立直後に組合役員等に対して、組合批判や組合脱会を求める発言をしたこと及び解雇をほのめかしたことは、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1106 契約更新拒否
期間の定めがある雇用契約においても、期間の更新が予測される場合や被雇用者が更新により雇用を継続されるものと期待することに業務内容・過去の実績などからみて客観的合理性がある場合には、使用者が更新を拒否することは実質上の解雇と同視されるべきであること、法人が実施した適性試験の論文とSCTは、配点・評価が客観的に乏しく、また、会社の経営状態が極めて厳しいという状態ではなく、組合員3名らの契約期間終了後に新たに複数の職員を雇用していること等から、契約更新拒否の根拠とされた人事考課及び適性試験による総合判定は、組合役員として、組合活動を積極的に行った組合員3名を法人から排除するために行ったものと判断され、同人らの雇用契約の更新を拒否したことは労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
鹿児島地裁 平成16年(行ウ)第9号 棄却 平成19年1月23日
 
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