概要情報
事件名 |
箕面自動車教習所 |
事件番号 |
中労委 平成15年(不再)第25号
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再審査申立人 |
有限会社箕面自動車教習所 |
再審査被申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方大阪支部 |
命令年月日 |
平成16年 4月21日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)分会との夏季一時金交渉中に、支給日を繰り上げて当該一時金を非組合員と管理職に支給したこと、(2)従前の就業時間内組合活動の取扱いを変更して年間20時間を超える時間内組合活動を欠勤扱いとすると通告した上、分会長の超過時間相当分の賃金をカットしたことが不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪地労委は、会社に対し、(1)一時金に関する団体交渉誠実応諾、(2)時間内組合活動の取扱いの一方的変更の禁止、(3)分会長に対する賃金カットがなかったものとしての取扱い、(4)文書手交を命じた。会社は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、再審査申立後に分会長に対する賃金カット相当分が支払われたことから、当該初審命令救済部分を削り、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文第3項を削除し、第4項を第3項とする。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
2251 一方的決定・実施
2901 組合無視
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
一時金の支給日を繰り上げる変更は労働条件の変更にかかわる事項に当たるから、労働協約に基づき組合と事前協議すべきであったのに一方的に変更すると通知したこと、当該一時金交渉が妥結していない段階で、従前の支給日より前に、非組合員・管理職に一時金を支給した上、その後の団体交渉において当該一時金の金額を回答したことは、一時金支給を既成事実化することにより、回答額を組合に押し付けようとしたものであり、組合を軽視する不誠実な対応といえ、これら会社の対応は、労組法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
3020 組合活動への制約
時間内組合活動の取扱いについては労使慣行が確立されていたとまではいえないが、会社は事実上、時間内組合活動を黙認してきたものといえること、他方、分会結成以降、労働協約の定めに反して組合との協議を経ることなく労働条件の変更を行おうとしたことにより、数次にわたって労使間に対立が生じていたこと、このような事情の下で、時間内組合活動の取扱いを一方的に変更したことは、時間内組合活動の取扱い条件を厳しくすることにより組合の活動を制約することを企図したものであり、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4422 その他
分会長に対する賃金カットについては、本件再審査申立後、同人に対して賃金減額分相当額が支払われており、この点に関する救済方法としては当該賃金カットを命じた初審命令主文を維持する必要はなく、文書手交をもって足りるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2004年 9月10日 1032号 19頁 
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