概要情報
事件名 |
かねひろ運輸 |
事件番号 |
中労委 平成15年(不再)第16号
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再審査申立人 |
関西合同労働組合 |
再審査申立人 |
関西合同労働組合兵庫支部 |
再審査被申立人 |
かねひろ運輸株式会社 |
命令年月日 |
平成16年 4月 7日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、西宮市内の学校給食配送業務(西宮配送業務)の委託が打ち切られたことを契機に、(1)組合員X1との雇用契約の更新を拒否したこと、(2)X1の雇用保障等に関する団体交渉に応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、兵庫地労委は、本件申立てを棄却した。組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、初審命令の一部を変更し、一部救済を命じた。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文を次のとおり変更する。 1 再審査被申立人かねひろ運輸株式会社は、再審査申立人関西合同労働組合兵庫支部から申入れのあった、組合員X1の雇用保障等を交渉事項とする団体交渉について、同人と新たな雇用契約を締結しないことを決めるに至った理由について説明するなど、誠意をもって団体交渉に応じなければならない。 2 その余の本件救済申立てを棄却する。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
X1との雇用契約は、更新の可能性を前提としていたが、更新による継続を十分に期待し得るまでの合意が団体交渉においてなされていたとは認められないこと、団体交渉の経緯からすると、組合らが組合員X1に従事させるよう求めた宝塚市内の給食配送業務(宝塚配送業務)においてもX1の腰痛が悪化した場合には損害賠償責任を請求されるのではないかとの懸念を会社が抱いたとしても無理からぬものがあったこと、X1が従事していた西宮市内の給食配送業務に続いて冷凍食品配送業務の一部が打ち切られることが明らかになったことで、会社が要員配置を再検討せざるを得なくなったこと等が推認されることから、会社がX1と新たな雇用契約を締結しなかったことは、不当労働行為意思に基づくものであるとまではいえず、不当労働行為に当たらないとされた例。
2240 説明・説得の程度
X1との雇用契約は更新される可能性を前提としていたこと、組合との合意書ではX1と新たな雇用契約を締結するか否かは新たな給食配送業務の開始の前日に会社が検討すると定めていること等からすると、X1と新たな雇用契約を締結するか否かについては会社に決定権があるとはいえ、会社は新たな雇用契約を締結しないことを決めるに至った理由等について、誠意をもって説明しなければならないというべきであるから、支部から申入れのあった団体交渉に応じなかったことは、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2004年 8月10日 1031号 20頁 
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