概要情報
事件名 |
神友産業 |
事件番号 |
中労委 平成13年(不再)第55号
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再審査申立人 |
神友産業株式会社 |
再審査被申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
命令年月日 |
平成15年 3月13日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員1名に対し、大阪兵庫生コン経営者会との集団交渉に参加するため会社の業務に従事しなかったことを理由として4日分の基本給及び残業保証手当相当額をカットしたこと、組合との36協定未締結を理由に同人の保証手当相当額をカットしたこと、定時退社を理由に同人の保証手当相当額をカットしたこと、会社が経営者会と組合らとの集団交渉に参加しなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪地労委は、組合員1名に対する2日分の基本給及び保証手当相当額の支払(年5分加算)、同人に対する組合との36協定が成立していない間の保証手当相当額(スト実施による減額相当分を除く。)の支払(年5分加算)及び文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。会社は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は初審命令を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文第2項を取り消し、第3項を第2項とし、第4項を第3項とする。 2 その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
会社は本来、他の組合に対するのと同様、組合にも組休月延べ2回の保障を認める意思があったにもかかわらず、会社が組合員X1の賃金から2日分の基本給及び保証手当をカットしたことは、会社と組合との間に組休月延べ2回の保障に関する協定が締結されていないことを口実として、組合が同協定に調印しないこと及び会社が参加を拒否している経営者会と組合らとの集団交渉に同人が分会代表として参加したことを嫌悪し、同人に経済的不利益を与えるとともに、これによって組合の弱体化を企図して行ったものと認められ、7条1号及び3号の不当労働行為に当たるとした初審判断は相当であるとされた例。
1204 スト・カット
組合や分会員に残業拒否の意思があったとは認められないにもかかわらず、会社が組合員X1の賃金から残業保証手当をカットしたことは、組合が会社提案の所定労働時間の延長に反対し、さらには配車差別によりストを行ったこと及び会社が拒否している経営者会と組合らとの集団交渉に組合員X1が分会代表として参加したことを嫌悪し、同人に経済的不利益と与えるとともに、これによって組合の弱体化を企図して行ったものと認められ、7条1号及び3号の不当労働行為に当たるとした初審判断は相当であるとされた例。
4408 バックペイが認められなかった例
初審命令は、組合員X1に対する残業保証手当相当額(スト実施による減額相当分を除く。)の支払を命じているが、会社は同人に対し、裁判所の判決に従い同手当相当額(年6分加算)を既に支払っているのであるから、同人に対し同手当相当額の支払を命じる必要性は既に失われており、これを命じた初審命令主文を取り消すのが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集125集1129頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年5月10日 1013号 14頁 
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