概要情報
事件名 |
吹田市ほか2者 |
事件番号 |
中労委 平成13年(不再)第43号
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再審査申立人 |
大阪教育合同労働組合 |
再審査被申立人 |
吹田市教育委員会 |
再審査被申立人 |
吹田市 |
再審査被申立人 |
インターナショナル・エジュケーション・サービス株式会社 |
命令年月日 |
平成14年10月23日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
(1)吹田市、吹田市教育委員会(市教委)及びインターナショナル・エジュケーション・サービス株式会社(IES)が、大阪教育合同労働組合(教育合同)の組合員であるX1を解雇したこと、(2)市教委及びIESが、団体交渉に誠実に応じなかったこと、がそれぞれ不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪地労委は、(1)吹田市及び市教委並びにIESに対して誠実団交を求める部分の申立てを却下、(2)市教委に対する申立てを却下、(3)X1の解雇に係る申立てを棄却した。これを不服として、教育合同から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令を変更し、吹田市及び市教委並びにIESに対する申立てをいずれも棄却した。 |
命令主文 |
初審命令を次のとおり変更する。 再審査被申立人吹田市及び同吹田市教育委員会並びに同インターナショナル・エジュケーション・サービス株式会社に対する再審査申立人大阪教育合同労働組合の不当労働行為救済申立てをいずれも棄却する。 |
判定の要旨 |
4822 混合組合
教育合同は、「組合員とすべての労働者の経済的・社会的・政治的地位の向上をはかること」等を目的として結成され、労組法の適用を受けない職員197名と同法の適用を受ける労働者84名をもって構成される組織であり、その構成員の労働条件の維持改善を図ることを目的とする団体である点においては、労働組合としての性格を有するものというべきであるとされた例。
4822 混合組合
本件は、労組法適用労働者であるX1に係る団体交渉を労組法上の使用者としての市教委及び吹田市並びにIESが拒否したとする不当労働行為の救済申立てであり、本件申立てについては、教育合同を労組法上の労働組合として不当労働行為の救済を求める資格を有するものと認めることが相当であるとされた例。
4918 自治体
市教委は、X1との間に直接又は実質的に雇用関係を有する者とはいえず、本件においては労組法上の使用者と認められないから、本件については、市教委を救済命令の名宛人とすべきか否かについては判断を要しないとされた例。
1100 雇用関係の存否
吹田市とIES間で締結された業務委託契約が、労働者派遣法に抵触する契約であったとしても、当該契約により勤務した労働者について、当然に吹田市との間で直接の雇用契約関係が成立しているわけではないこと及び吹田市又は市教委がX1を他の直接雇用している者と同様に取り扱っていたとみることはできず、吹田市又は市教委とX1との間において実質的に雇用関係が成立していると認められるほどの使用関係にあったとは判断できないことから、吹田市又は市教委がX1を解雇したものとは言えないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
吹田市及び市教委とX1との間には直接又は実質的な雇用関係がないことから、吹田市及び市教委には教育合同の要求項目に係る団交に応ずべき義務はないものと言わざるを得ないとされた例。
1106 契約更新拒否
IESとX1との雇用契約は、自動的に更新される性質のものではなく、むしろ、双方に継続の合意があって初めて継続されてきたと解すべきであり、X1の言動及びIESの対応からすると、当該雇用契約は、期間満了により終了したものであり、IESがX1を解雇したものとは言えないとされた例。
2242 回答なし
2248 実質的権限のない交渉担当者
IESは、アメリカ出張中の社長が帰国するまでは確定的な回答ができないことを表明したうえで団交を受諾し、教育合同もその点については承知していたこと、団交出席者の立場では当時それ以上の回答は望めず、やむを得ないと思われること、各要求事項については、次回団交までに事実関係を調査して改めて回答するとしていたことから、IESの団交における対応を不誠実なものとまでは言えないとされた例。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集751頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年2月10日 1006号 22頁 
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