概要情報
事件名 |
ミヨシ物流 |
事件番号 |
中労委 平成10年(不再)第46号
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再審査申立人 |
ミヨシ物流 株式会社 |
再審査被申立人 |
総評・全日本建設運輸連帯 労働組合 横浜合同支部 |
再審査被申立人 |
総評・全日本建設運輸連帯 労働組合 |
命令年月日 |
平成14年 3月20日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合の申し入れた「未払い賃金の支払いおよび賃金体系の改善等」に関する団体交渉を、組合規約が提出されないことを理由に拒否したこと、組合支部の下部組織である分会の分会長らに対し、組合からの脱退を勧奨したことがそれぞれ不当労働行為であるとして争われた事件で、東京地労委は、「未払い賃金の支払い及び賃金体系の改善等」に関する団交応諾、脱退勧奨の禁止、文書掲示を命じた。会社は、これを不服として再審査を申立てたが、中労委は、初審命令の一部を変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人ミヨシ物流株式会社は、再審査被申立人総評・全日本建設運 輸連帯労働組合及び同総評・全日本建設運輸連帯労働組合横浜合同支部が申 し入れた「未払い賃金の支払いおよび賃金体系の改善等」に関する団体交渉 に、資料を提示して具体的説明を行うなど、誠実に応じなければならない。 II 初審命令主文第3項中の「東京都地方労働委員会」を「中央労働委員会」 に改め、記の(1)を次のとおり変更する。 (1)貴組合が申し入れた「未払い賃金の支払いおよび賃金体系の改善等」に関 する団体交渉に、資料を示して具体的説明を行うなど、誠実に応じていない こと。 III その余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
2251 一方的決定・実施
初審命令交付後、会社は組合規約の提出を求めることなく2回の団体交渉に応じたものの、残業時間の記録を提出すること及び残業手当問題の取扱いと是正方法について団体交渉で決めることを約束しながら、組合とは全く交渉しないまま一方的に改善した結果を伝えたのみであり、また、組合に対して資料の提示を拒否し、具体的説明を行わなかったため、会社の交渉態度は誠意あるものであったとはいえず団体交渉を行う意義が残っていると判断された例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社の社長及び部長の組合分会長らへの発言が、身分(雇用)保障を条件に上部団体から脱退するよう働きかけていたものと認められ、脱退勧奨であり組合の組織運営に支配介入したものとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集122集922頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2002年9月10日 1002号 14頁 
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