労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  西日本旅客鉄道(JR総連支配介入) 
事件番号  中労委 平成 9年(不再)第40号 
再審査申立人  個人5名 
再審査申立人  全日本鉄道組合総連合会 
再審査被申立人  西日本旅客鉄道株式会社 
命令年月日  平成14年 3月 6日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  西日本旅客鉄道労働組合(西労組)全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)から脱退するに至る過程において、(1)会社が広島支社等の管理職及び職制をして、西労組をJR総連から脱退させようと組合員に働きかけたこと、(2)広島運転所運転科長が、広島運転分所(広島分所)の業務用掲示板に掲示されていた西労組乗務員分科会の掲示物を撤去するように指示したり、助役をして撤去させたこと等が不当労働行為であるとして救済申立てのあった事件で、初審大阪地労委は、会社の行為は不当労働行為に該当しないとして、申立てを棄却したところ、JR総連らは、これを不服として、再審査を申立てた。
 中労委は、初審命令を維持し、本件再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
会議における支社長の言動をもって、西労組地本執行委員長に対し、JR総連からの西労組の脱退に同調するように利益誘導したとは認められないとされた例。

0202 会社施設の利用
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
助役Y1が会社施設内で勤務終了後に職場の従業員を参集し、JR総連との関係を解消する等の「委員長発言」を支持する行動をするように求めたことは、分会を「委員長発言」支持の意見でまとめようとして行った組合活動と解するのが相当である。

0202 会社施設の利用
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
会社は、助役Y1の発言は許可を得ずに会社の施設を使用した組合活動であるとして、同人に口頭注意をしていること、発言の内容等を総合すれば、それが会社の指示や意向を受けてなされたものと解することはできないとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
助役Y2らが分会員に対して、勤務時間中に行った「委員長発言」の撤回と委員長辞任を求める署名をしないよう慫慂する言動は、副分会長及び組合員として分会内を「委員長発言」支持の意見でまとめようとして行った組合活動であると解するのが相当とされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
会社は、助役Y3らの分会員に対する署名に関する言動について、勤務時間中の組合活動であるとして口頭注意を行っていること、発言がなされた状況等を総合すれば、それが会社の支持や意向を受けてなされたものと解することはできないとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
助役Y4らが分会員に対して、勤務時間中に「委員長発言」に係るアンケートの書き換えを求めたことは、分会員として執行部に協力する立場から、あるいは分会執行部の決定した方針に従った組合活動と解するのが相当であり、会社は助役Y4の言動について、勤務時間中の組合活動であるとして口頭注意を行っていること、発言がなされた状況等を総合すれば、それが会社の指示や意向を受けてなされたものと解することはできないとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
科長Y5のX1に対する組合に関する言動は、勤務時間中の会社内において、上司としての立場を利用して圧力をかけたり、利益供与をほのめかしたりするところも認められないことからすれば、かつて業務を指導したことのあるX1に、同じ西労組の組合員としての立場で発言したものと解するのが相当であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
課長Y6は、分会長が設定した会合の性格や出席者を知らず、組合員X2との個人的なつき合いとして会合に臨んだにすぎないものであり、「委員長発言」に関する分会長らのやりとりに対し何ら発言しておらず、分会長の組合活動に圧力を加えたと解することもできないとされた例。

0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
3020 組合活動への制約
乗務員会の掲示板から撤去された掲示物は、申立人組合の運動方針に関することを内容としており、同掲示板に貼付が認められる掲示物とはいえないとされた例。

0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
2610 職制上の地位にある者の言動
3020 組合活動への制約
3410 職制上の地位にある者の言動
科長Y7が乗務員会の掲示板に貼付された組合の文書を組合掲示板に張り替えるように求め、撤去されないままの同文書とその後に貼付された組合の文書を助役に撤去させた行為は、申立人らの活動の妨害や、その運営への介入と解することはできないとされた例。

0200 宣伝活動
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0202 会社施設の利用
助役Y8が職場に置かれているニュースを持ち去る行為は、職場巡回をしている管理者として、職場の整理整頓のためにも、就業規則上禁止されている施設内の組合活動を防止するためにも許容される行為であり、組合活動を妨害する意図でなされたものとは認められないとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集122集897頁 
評釈等情報  中央労働時報 2002年7月10日 1000号 22頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委 平成 3年(不)第15号
大阪地労委 平成 3年(不)第22号
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下)  平成 9年 9月 4日 決定 
 
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