概要情報
事件名 |
谷本産業 |
事件番号 |
中労委 平成12年(不再)第10号
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再審査被申立人 |
全日本金属情報機器労働組合谷本産業支部 |
命令年月日 |
平成13年12月19日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員に対し、①訓戒処分としたこと、②夏季一時金におい
て減額査定及び出勤率控除を行ったこと、③年末一時金の団体交渉に際し、回答の根拠となる資料等を示さず誠意ある対応をしな
かったことが争われた事件で、①訓戒処分のなかったものとして取り扱い、②夏季一時金について、遅刻、早退がなかったものと
しての再計算並びにバックペイ、③ポストノーティスを命じた初審命令を維持し、再審査申し立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1600 休暇の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3700 使用者の認識・嫌悪
4414 その他の不利益の場合
4617 その他
組合員X1に対する訓戒処分について、会社が、組合員に対する制裁処分通知書を同人に手交するのみならず、内容証明郵便で自
宅にも送付し、さらに同じ内容の文書を会社内に掲示までしていることからすれば、会社が組合員に対して年休の時季変更権を行
使し、これに従わなかった同人を処分したことに正当性は認められず、同処分は、会社と組合が激しく対立する中で、会社が組合
を嫌悪して同人が組合員であるが故に行った不利益取扱いであるとともに組合の弱体化を企図したものであると言わざるを得ず、
組合員X1に対する訓戒処分を労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
1600 休暇の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3700 使用者の認識・嫌悪
4414 その他の不利益の場合
4617 その他
組合員X2に対する2度の訓戒処分はいずれも不当なものであること、その処分方法も会社が本人に制裁処分通知書を手交した
上、重ねてないよう証明郵便で自宅にまで送付し、同制裁処分書と同じ内容の文書を会社内に掲示していること、さらに、会社と
組合が対立していることを併せ考えると、これらの訓戒処分を労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為に当たるとした初
審判断は相当であるとされた例。
1203 その他給与決定上の取扱い
3106 その他の行為
3700 使用者の認識・嫌悪
4413 給与上の不利益の場合
4617 その他
平成9年夏季一時金に係る出勤率控除について、同控除の対象として組合員7名にかかる腕章着用闘争期間中の遅刻及び早退が含
まれていたが、この期間中は会社が組合員の労働を拒否していた期間であることからすれば、平成9年夏期一時金にかかる出勤率
を控除した会社の行為を、腕章着用闘争等の組合活動を嫌悪した会社が、組合員を不利益に取り扱うとともに組合の弱体化を企図
した労組法7条1号及び3号の不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
2300 賃金・労働時間
4505 その他
使用者は、団体交渉において合理的かつ必要な範囲において資料等を提示するなどして回答の根拠等を具体的に説明し、労働組合
の理解が得られるように努力すべき義務があるところ、平成9年年末一時金に関する団体交渉においては、会社は口頭で赤字であ
る旨述べるにとどまり、経理資料も示さず、さらに、会社と業界の賃金比較意外には会社の売り上げなど経理状況を一切説明しな
いことから、組合の理解が得られるための努力をしたものとは認められず、労組法7条2号に該当する不当労働行為であるとした
初審判断は相当であるとされた例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集121集785頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2002年3月 993号 13頁
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