労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  黒磯観光タクシー 
事件番号  中労委 平成11年(不再)第9号 
再審査申立人  黒磯観光タクシー株式会社 
再審査被申立人  全国一般労働組合栃木地方本部 
命令年月日  平成13年 5月16日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  会社が、①支部組合員が年次有給休暇を取得したときの賃金補償算定方式を、労使協定書で定める方式から、平均賃金の6割相当額に減額して支給する方式に一方的に変更して実施したこと、②年次有給休暇の消化順位を、当年度発生分を先に消化する方式に一方的に変更して実施したこと、③チェック・オフ協定を一方的に破棄したことが争われた事件で、①年次有給休暇取得補償について再計算し、既支給額との差額の支払、②年次有給休暇消化順位を従前の取扱いとすること、③チェック・オフ再開を命じ、その余の申立てを棄却した初審命令を維持し、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  1600 休暇の取扱い
年休取得時の賃金補償算定を、平成6年協定書及び就業規則で規定された標準報酬日額方式から平均賃金の60%相当額に変更減額した措置について、組合らとの協議を尽くしたとの会社の疎明はなく、会社は、標準報酬日額方式を一方的に変更して、組合のストライキ実施直後に実施しており、特段この時期から実施しなければならない合理的な理由も認められないことから、本件減額変更は、平成7年協定書の趣旨にもとるところのあるストライキに対する対抗措置として許されるものではなく、支部組合員に不利益を与えるために行った不当労働行為であるとされた例。

1600 休暇の取扱い
年次有給休暇の消化順位を、前年度繰越年休分を先に消化する方式から当年度発生年休分を先に消化する方式へと遡及して変更したことは、そもそも遡及適用をすることが許されるか疑問がある上、本件ストライキに対する会社の対抗措置としても相当性を欠き、ストライキが行われたほぼ同時期に会社が行った組合嫌悪発言と考え合わせると、会社が組合を嫌悪して、支部組合員を不利益に取り扱う目的で行った不当労働行為であるとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
新労組とのチェック・オフ協定締結当時、新労組は過半数組合でないため、適法なチェック・オフ協定でないにもかかわらず、新労組組合員にかかる組合費のチェック・オフを行う一方、組合との本件チェック・オフ協定を破棄した会社の行為は、組合と新労組を差別するものであって、組合らを弱体化させる支配介入の不当労働行為であるとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集120集885頁 
評釈等情報  中央労働時報 (財)労委協会 平成14年2月 第992号 23頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
栃木地労委 平成10年(不)第1号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成11年 2月 4日 決定 
 
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