労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  若松運輸・鉄構運輸 
事件番号  中労委 平成11年(不再)第13号 
再審査申立人  若松運輸株式会社 
再審査申立人  鉄構運輸株式会社 
再審査被申立人  全日本建設交運一般労働組合千葉県本部千葉地域支部 
命令年月日  平成13年 5月 9日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  若松運輸が、①分会との団交を拒否したこと、②分会員に対し分会からの脱退を強要したこと、③分会員に対し配車差別等の不利益取扱いを行ったこと、④分会長に対し、ビラ配布等を理由に懲戒処分を行ったこと、また、鉄構運輸が分会書記長に対してビラ配布等を理由に懲戒処分を行ったことがが争われた事件で、若松運輸に対して、①分会に対する正当な理由のない団交拒否の禁止、②脱退強要の禁止、③配車差別等の不利益取扱いの禁止、④分会長に対する懲戒処分の撤回及びバックペイ、⑤これらに関する文書掲示及び文書手交を鉄構運輸に対して、分会長に対する懲戒処分の撤回及びバックペイを命じ、その余の申立てを棄却した初審命令を維持し、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2215 上部団体参加否認
2242 回答なし
2244 特定条件の固執
団体交渉の出席者を分会役員に限定し、上部団体役員が敷地内に入ることを拒否して団体交渉を行わなかったこと、年末一時金の総原資額等に対する分会の質問に対して全く回答しなかったこと、団体交渉において発生したホテルの客室料金の半額等を支払うことが団体交渉開催の前提条件であるとして団体交渉を拒否し、ようやく開催された団体交渉においても同料金の負担問題の解決が他の議題に入る前提であるとの主張に固執したこと等の一連の対応は、誠実に団体交渉に応じたものとはいえず、これを労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

2621 個別的示唆・説得・非難等
分会結成直後から分会役員らに対し威迫的言辞を用いて分会からの脱退を強要し、分会を脱退しないと不利益な取扱いをする旨の発言を繰り返している取締役らの言動は、分会を嫌悪してなされたものであるといわざるを得ず、これを労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

1302 就業上の差別
組合員に対する配車差別は、不景気による仕事の減少と分会結成の時期が偶然重なった結果であるとは考え難く、会社は分会結成当初から分会を強く嫌悪していたことを併せ考えれば、分会結成を契機とした不利益な取扱いであるといわざるを得ず、これを労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

1400 制裁処分
X1に対する懲戒処分は、会社役員の住居の周辺一帯等における街宣活動やビラ配布行為及び従業員用レターケースへのビラ配布行為の責任者であることを理由とするものであるが、前者のビラはことさら事実関係を歪曲して会社役員を誹謗中傷しているものとまではいえないこと、後者は、会社の設備を利用した組合活動と評価される面もないではないが、ビラの内容はあっせんが成立した事実を従業員に報告するものであり、配布の態様も格別問題となるようなものではないことからすると、出勤停止をもって臨むべき懲戒事由に当たるとは認め難く、これを労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

1400 制裁処分
X2に対する懲戒処分は、勤務時間中に会社取締役らに電話をかけて団交申入書を投げ金庫に投入したことを告げたこと及び団体交渉の実施について確認したことを理由とするものであるが、勤務時間内のわずかな時間にこの程度の行為を行ったことに対し注意を与えることは格別、出勤停止をもって臨むべき懲戒事由に当たるとは認め難く、これを労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集120集876頁 
評釈等情報  中央労働時報 (財)労委協会 平成13年7月 第985号 12頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
千葉地労委 平成 9年(不)第4号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成11年 2月26日 決定 
 
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