概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道(新潟・不採用支配介入) |
事件番号 |
新潟地労委 平成12年(不)第5号
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申立人 |
X2 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
日本鉄道建設公団 |
被申立人 |
日本貨物鉄道株式会社 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
被申立人 |
自由民主党 |
被申立人 |
国土交通省 |
命令年月日 |
平成13年 6月29日 |
命令区分 |
却下(初審命令において却下の決定書が交付された場合) |
重要度 |
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事件概要 |
自由民主党ら4政党が、国労本部に対し提示した四党合意により、国土交通省、東日本旅客鉄道株式会社、日本貨物鉄道株式会社及び日本鉄道建設公団が、その主張を自由民主党を介して国労に押し付け、国労本部に臨時大会の開催を強制したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、国土交通省、事由民主党及び日本鉄道建設公団は、使用者にあたらず、また、東日本旅客鉄道及び日本貨物鉄道が「4党合意」の主体ではないとして申立てを却下した。 |
命令主文 |
申立人らの本件申立てをいずれも却下する。 |
判定の要旨 |
5144 不当労働行為でないことが明白
被申立人自由民主党は、申立人らの使用者でないから、労働委員会規則第34条第1項第1号の「申立てが第32条に定める要件を欠き補正されないとき」に該当すると主張するが、同号は雇用関係の有無等の不当労働行為の実体的成否ではなく、申立ての方式を規制したものであり、被申立人の適格を問題としたものでないから、当該被申立人の主張は採れないとされた例。
5145 救済内容が実現不可能
労組法による救済を得るためには、労働者の当該行為が「使用者」によってなされたものであることを要し、使用者とは労働契約関係ないしはそれに隣接、近似の関係を基盤として成立する団体的労使関係の一方当事者と解するのが適切であるが、国土交通省、自由民主党及び日本鉄道建設公団は 申立人らの使用者にあたらないことは明らかであるから、同人らに対する申立ては、申立人らに対する関係では不当労働行為には該当せず、労働委員会規則第34条第1項第5号に「申立人の主張する事実が不当労働行為に該当しないことが明らかなとき」に該当するので、却下を免れないとされた例。
5144 不当労働行為でないことが明白
5145 救済内容が実現不可能
申立人らは、国土交通省、JR東日本、JR貨物、鉄建公団に対して、「四党合意」の取消を求めるが、合意の当事者でない者が他人間の合意を取り消すことができる道理はなく、申立人らの真意が被申立人らに四党合意には反対であるという意思を表示させたいというのであれば、政党の当否を一般的に争うもので労組法7条でまかなえるものではあり得ないから、被申立人4者に対し四党合意の取消を求めるのは、労働委員会規則第34条第1項第6号にいう「請求する救済の内容が、法令上又は事実上実現することが不可能であることが明らかなとき」に該当し、当該4者に対する申立ては却下すべきであるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集120集606頁 |
評釈等情報 |
 
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