概要情報
事件名 |
成進・日本一生コン・眞壁組 |
事件番号 |
中労委 平成 3年(不再)第66号
中労委 平成 4年(不再)第2号
中労委 平成 6年(不)第16号
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再審査申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
再審査申立人 |
株式会社成進 |
再審査被申立人 |
日本一生コンクリート株式会社 |
再審査被申立人 |
株式会社眞壁組 |
再審査被申立人 |
株式会社成進 |
再審査被申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
命令年月日 |
平成11年 7月 7日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)成進、日本一生コン及び眞壁組が、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部及び日本一生コン分会(成進と運送契約を締結して、ミキサー車運転手して働く労働者で組織。後記の国土一生コン分会についても同じ。)からの平成元年6月12日付団体交渉申入れに対し、日本一生コン分会員との間には雇用契約関係が存在せず、使用者の立場にないなどとしてこれに応じなかったことが不当労働行為であるとして、成進及び日本一生コンを被申立人として申立てのあった事件及び(2)眞壁組が、支部、日本一生コン分会及び国土一生コン分会からの平成3年11月12日付団体交渉申入れに対し、両分会員との間には雇用契約関係は存在しないとしてこれに応じなかったことが不当労働行為であるとして申立てのあった事件である。 初審大阪地労委は、(1)平成元年6月12日付団体交渉申入れに係る事件について、成進に対しては、日本一生コン分会員の使用者に当たるとして団体交渉に応じるように命じ、日本一生コンに対しては、同分会員の使用者には当たらないとして申立てを却下する一部救済命令を発し、(2)平成3年11月12日付団体交渉申入れに係る事件について、眞壁組は両分会員の使用者には当たらないとして申立てを却下したところ、これを不服として支部から両事件について及び成進から平成元年6月12日付団体交渉申入れに係る事件について再審査の申立てがなされたが、中労委は初審命令を維持し、各再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
中労委平成3年(不再)第66号及び同4年(不再)第2号事件、同6年(不再)第16号事件に係る各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4825 その他
4900 請負・委任・派遣契約
成進と運送契約を締結している運転手は、成進の営業組織に組み込まれて成進の事業に不可欠の労働力として運送業務に従事しているところからすると労組法第三条の労働者であり、成進は、運転手を雇用するものとして、労組法第七条の使用者に当たると解するのが相当とされた例。
2130 雇用主でないことを理由
成進が、日本一生コン分会らからの団体交渉申入れに対し、日本一生コン分会員との間には一切雇用関係はないとして団体交渉を拒否していることに正当な理由はなく、不当労働行為に当たると判断した初審命令は相当とされた例。
4916 企業に影響力を持つ者
成進は独立した主体として事業を行っていたことのほか、成進と日本一生コンとの間には人的・資本的関係は一切なく、日本一生コンが成進の経営や人事・労務関係に介入しているとの疎明はないのであるから、両社の間に支配従属関係があるとまでいうことはできないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
4916 企業に影響力を持つ者
運転手は成進の運送業務に従事するに当たり、日本一生コンから特設の指示や注意を受けたことがないなど、日本一生コンは、運転手である日本一生コン分会員の労働条件について現実的かつ具体的支配力を及ぼしていたということはできないのであるから、労組法第七条第二号の使用者に当たると解することはできず、日本一生コンに対する組合の救済申立てを却下した初審判断は相当とされた例。
4916 企業に影響力を持つ者
日本一生コン外2社及び成進は、設立以来独立した主体として事業を行っており、眞壁組との関係をもって、日本一生コン外2社及び成進の法人格が形骸化され、あるいは濫用されているとはいえないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
4916 企業に影響力を持つ者
眞壁組は、成進と運送契約を締結している運転手である分会員の身分や労働条件の決定等労使関係上の諸利益に対し、現実的かつ具体的に支配決定することができる地位にあるとはいえず、労組法第七条第二号の使用者に当たると解することはできないのであるから、眞壁組に対する組合の救済申立てを却下した初審判断は相当とされた例。
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業種・規模 |
鉄鋼業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集540頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2000年1月 961号 15頁 
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