概要情報
事件名 |
まつやセロファン |
事件番号 |
広島地労委 平成 9年(不)第2号
広島地労委 平成 9年(不)第3号
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申立人 |
全国一般・広島県西部労働組合まつやセロファン支部 |
申立人 |
全国一般労働組合広島地方本部広島県西部労働組合 |
被申立人 |
まつやセロファン株式会社 |
命令年月日 |
平成11年 3月25日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、広島地労委において交わされた和解協定書の主旨に反して、団体交渉における具体的資料の未提出及び組合の質問に対する無回答などの不誠実な対応を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)誠実な団体交渉(平成9年度春闘賃上げ、平成9年度夏季一時金等)の応諾、(2)不誠実団交による申立人の弱体化、支配介入の禁止、(3)文書手交及び掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人らが要求又は申入れをした次の事項について、回答の根 拠となる決算書及び具体的人事考課基準等の関係資料を提示の上、具体的な説明 を行うなど、誠意をもって団交に応じなければならない。 (1) 平成9年1月16日付け要求の第1項から第12項のうち第6項のX1 の労働災害認定請求に関する項目を除く事項について (2) 平成9年2月3日申入れ(平成9年1月16日付け)の年次有給休暇の 買上げに関する事項について (3) 平成9年3月5日付け要求の平成9年度春闘賃上げについて (4) 平成9年6月12日付け要求の平成9年度夏季一時金について 2 被申立人は、前項の団体交渉を誠意をもって行わないことによる申立人らを 弱体化させ、申立人らの運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に下記文書を申立人らに手交 するとともに、同内容の文章を縦1メートル、横1.5メートルの木板に楷書で 明確に記載し、被申立人会社の本社及び東広島工場の従業員の見やすい場所に毀 損することなく2週間掲示しなければならない。 なお、年月日の記載は、それぞれ手交の日又は掲示の初日とすること。 記 平成 年 月 日 全国一般労働組合広島地方本部広島県西部労働組合 執行委員長 X1 様 全国一般・広島県西部労働組合まつやセロファン支部 支部執行委員長 X1 様 まつやセロファン株式会社 代表取締役社長 Y1 当社が、貴組合から申し入れられた団体交渉において、回答の根拠を具体的に 説明するなど誠意をもって対応しなかったことが、労働組合法第7条第2号及び 第3号に該当する不当労働行為であると広島県地方労働委員会において認定され ました。 今後、このような行為を繰り返さないようにするとともに、これを機に正常な 労使関係の形成に努めます。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
2901 組合無視
会社の団交における対応は、回答の根拠となる関係資料を提出せず、具体的な説明を行わないもので、誠実であるとは認められないばかりではなく、団交を実質的に否定し組合の団結権、団体交渉権を侵害するものであり、かつ組合の存在を軽視又は無視することによって組合を弱体化させるものであるとされた例。
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業種・規模 |
プラスチック製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集113集366頁 |
評釈等情報 |
 
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