概要情報
事件名 |
新光美術(チェック・オフ) |
事件番号 |
中労委 平成 9年(不再)第11号
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再審査申立人 |
株式会社新光美術 |
再審査被申立人 |
全労連・全印総連大阪地連新光美術労働組合 |
命令年月日 |
平成11年 6月 2日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)チェック・オフを廃止したこと、(2)就業時間中の組合活動に伴う賃金カット相当額をチェック・オフ合計額の中から補てんする事務を廃止したことが争われた事件で、チェック・オフ及び補てん事務の再開並びに文書手交を命じた初審命令中、補てん事務の再開を命じた主文第二項を取り消し、これに伴い主文第三項を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文第二項を取り消し、同項に係る再審査被申立人の救済申し立て を棄却する。 II 初審命令主文第3項を次のとおり改め、この部分に係る再審査被申立人の その余の救済申立てを棄却する。 2 再審査申立人は、再審査被申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しな ければならない。 記 年 月 日 全労連・全印総連大阪地連新光美術労働組合 執行委員長 X1 殿 株式会社新光美術 代表取締役 Y1 当社が、平成5年10月25日以降、貴組合の組合費のチェック・オフを行わ なかったことは、中央労働委員会において、労働組合法第七条第三号に該当する 不当労働行為であると認められました。 今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 III その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
労使間の合意により約20年間継続実施され、組合も継続されることを期待していたチェックオフを廃止することは不利益変更に当たるのに、その廃止理由は妥当性を欠き、組合にも必要な説明をしたとは認められないとされた例
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
チェックオフに係る事務がどの程度煩雑なのか、またチェックオフ業務を行う総務部業務がどの程度多忙であり業務改善の必要性があるのか、さらに給与計算の電算化を進めるにあたって、チェックオフを継続するためにどの程度の経費が必要となるかを具体的に説明できない以上、チェックオフ廃止を相当に根拠付けるものであるとは認められないとされた例
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
チェックオフ廃止は、組合と会社の対立課程で組合側に一部行き過ぎの面がみられたとしても、組合を嫌悪した会社が組合に対する対抗措置として便宜供与をとりやめ、組合運営に支障をもたらす行為を判断された例
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合活動による賃金カット分をチェックオフした金額から補填する事務は、本来、組合自らの責任で行うべき業務であり、これを会社が廃止しても、支配介入とみることはできないとされた例
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集114集512頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年10月 958号 16頁 
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