概要情報
事件名 |
日本石油化学(平成6年度昇給昇格) |
事件番号 |
神奈川地労委 平成 8年(不)第1号
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申立人 |
X1 ほか3名 |
被申立人 |
日本石油化学株式会社 |
命令年月日 |
平成11年 3月 2日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、労使協調的な方針をとる組合執行部を批判して独自の組合活動を行った組合員X1ら4名に対し、平成6年度の基本給昇給、班長級への昇進及び賞与等について不利益取扱い、同人らの活動を封じ込めようとしたことが不当労働行為であるとして争われた事件で、神奈川地労委は、組合員X1ら4名の基本給額是正及び差額の支払い(年率5分加算)、班長級への昇進、賞与額等の是正及び差額の支払い(年率5分加算)、正当な組合活動を理由とした賃金等についての不利益取扱いの禁止、文書掲示を命じ、その余の申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3及び同X4に対し、平成6年度の基本給の 額を日本石油労働組合が賃金実態調査一覧表で示すモデル賃金の各人に対応する 基本給の額に是正し、当該額と既に支払った額との差額に相当する額を支払わな ければならない。 2 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3及び同X4について平成6年5月21日以 降、それぞれ班長又は班長相当職の職にあるものとして処遇しなければならない 。 3 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3及び同X4に対し、第1項及び第2項に定 める措置に伴い、平成6年度の前期賞与金及び付加給、役付手当その他賞与を是 正し、当該額と既に支払った額との差額に相当する額を支払わなければならない 。 4 被申立人は、第1項及び第3項に規定する差額に相当する額に、支払われる べき日の翌日から支払済みに至るまで、年率5分の割合による金員相当額を加算 して支払わなければならない。 5 被申立人は、申立人らに対し、その正当な組合活動を理由として同人らの賃 金、賞与及び昇進について不利益な取扱いをしてはならない。 6 被申立人は、本命令受領後、速やかに次の文書を縦1メートル、横1.5メ ートルの白紙に楷書で明瞭に記載し、川崎工場及び浮島工場の入口付近の従業員 の見やすい場所に、毀損することなく10日間掲示しなければならない。 記 当社が、貴殿らの賃金及び昇進について不利益な取扱いをしたことは、神奈 川県地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当 労働行為であると認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 平成 年 月 日 X1 殿 X2 殿 X3 殿 X4 殿 日本石油化学株式会社 代表取締役 Y1 7 申立人らのその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
1201 支払い遅延・給付差別
組合員らに対する賃金、昇進格差は、同人らが行った独自の職場新聞の発行・配布や組合役員選挙の支援活動などについて、会社の施策と対立する独自の組合活動として嫌悪したもので、不利益取扱いであるとされた例。
4407 バックペイの支払い方法
4415 賃金是正を命じた例
基本給について、査定とそれに基づく決定及び支払いとが全体として一つの行為と認めるのが相当であるので、平成6年度の基本給をモデル賃金の基本給の各人に対する額に是正し、当該額と既に支払った額との差額に相当する額を支払うことを命じた例。
4419 現存格差を一挙に是正した例
昇進について、昇給に係る査定を最も重要な要件として決定される平成6年度の昇進を是正することとし、同一学歴の同一卒業生の者の過半数が在籍する相当職にあるものとして処遇するよう命じた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集113集188頁 |
評釈等情報 |
 
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