概要情報
事件名 |
特別区人事・厚生事務組合 |
事件番号 |
中労委 平成 6年(不再)第17号
|
再審査申立人 |
東京都特別区現業労働組合 |
再審査申立人 |
東京都板橋区立学校従業員労働組合 |
再審査被申立人 |
板橋区・台東区・足立区・渋谷区・江戸川区・中央区 |
再審査被申立人 |
特別区人事・厚生事務組合 |
再審査被申立人 |
特別区長会 |
命令年月日 |
平成10年12月16日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、申立人組合が、組合員の労働条件である給与等に関する共通基準について、特別区長会及び事務組合が、実質上決定し支配しているので、共通基準について団交を求めたときはこれに応ずべきこと、また、板橋区ら6区は交渉委員を選任するなどして団交に応ずること、特別区職員労働組合連合会(特区連)と差別しないことを求めて救済申立てを行った事件で、初審東京地労委は、申立てを棄却した。組合はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
事件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2130 雇用主でないことを理由
特別区人事・厚生事務組合が特別区の職員の給与等の勤務条件の決定権を有するとの規定はなく、区長が勤務条件の決定権を喪失しているとは認められない。また、事務組合は、23の特別区と特別区職員労働組合連合会(特区連)との統一交渉に、当事者として参加しておらず、事務組合は団交の当事者たる使用者とはいえないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
区長会は、区長の上位機関ではない。区長会が区長のため団交を行うとか労働協約を締結しうるとの規定はなく、区長の権限を区長会に委任している規定もない。また、区長会の決定が、区長を拘束するとは認められないことなどから、区長会は個々の区長と別個に単一の主体として団交に応じる地位にあるとはいえないとされた例。
2221 集団・統一交渉
事務組合が23の特別区と特区連との統一交渉に交渉委員を参加させているのは特別区人事行政運営要綱によるもので、一部の区の組合員を組織する組合との交渉には予定されていないこと、区長会は上記統一交渉の当事者ではないことから、区長会の代表者を、板橋区ら6区の共同の交渉委員として組合との団交を行うことを強いることはできず、組合の主張は、板橋区ら6区に対し、合意のない中を統一交渉を組合との交渉で行うことを強いることになるので採用できないとされた例。
|
業種・規模 |
地方公務(都道府県機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集112集853頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年7月 955号 14頁 
|